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誹謗中傷や名誉毀損に関する法律(権利)

  • 2017年02月06日 | 481view

プロバイダ責任制限法とは|発信者情報開示請求権etc

プロバイダ責任制限法

従来は、誹謗中傷や風評被害の書き込みがされても被害に遭った第三者が十分に救済を受けられていたとは言えない状況でした。そこで、時代の要請を受けてできたのがプロバイダ責任制限法です。この法律はプロバイダ等の責任を制限すること、被害者を救済することを目的としてつくられました。それぞれの目的やその中身について探っていきます。

プロバイダ責任制限法に強い弁護士一覧

プロバイダ責任制限法の概要を知ろう

プロバイダ責任制限法は、正式名称を「特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律」と言います。

プロバイダ責任制限法ってどんな法律?

この法律は、プロバイダやサーバー・ウェブサイトの管理者などの「特定電気通信役務提供者」を対象に、インターネットの情報など不特定多数が受信するものに関する権利侵害による措置について定めたものです。

プロバイダ責任制限法の目的

プロバイダやサイト管理者(以下「プロバイダ等」)は書き込みの削除を求める被害者と表現の自由の確保を訴える発信者の間でジレンマに陥りやすいものです。プロバイダ責任制限法は、そういったジレンマで苦しむプロバイダ等の責任を一定の場合に制限することと、ネット上で権利侵害を受けた被害者を救済することの両方を目的としています。

被害者がプロバイダの協力を得られやすくなる

この法律では、プロバイダ等は一定の要件を満たせば免責となるので、この法律の規定に則って適切に対処すれば、プロバイダ側は発信者から訴えられる可能性は低くなります。そのため、被害者は誹謗中傷被害対策についてプロバイダの協力を得やすくなります。

プロバイダ責任制限法ができた経緯

プロバイダ責任制限法ができたのは、誰もが手軽にインターネット上に書き込みができるようになったことが背景にあります。本名を伏せて書き込みができるため、特定の個人や企業が誹謗中傷のリスクにさらされることが多くなり、対応策が待たれていました。

被害者が直接発信者に削除を求めるのは困難

インターネットの掲示板やSNS、blogなどで誹謗中傷や風評被害になる書き込みがされて第三者の権利侵害が発生したとき、被害者が直接発信者に削除を求めるのは困難でした。発信者がどこのだれかもわからず、たとえわかったとしても削除になかなか応じない現実があったためです。

表現の自由と人権侵害のジレンマ

また、プロバイダ等のほうも書き込みの内容が違法性のあるものか否かの判断ができない上に、民事訴訟を起こしてもほとんど発信者情報が開示されず、被害の救済が進まないのが現状でした。そこで、プロバイダの責任を明確にして自主的に解決を促す必要があったのです。

プロバイダ責任制限法にできること①プロバイダの責任を制限

インターネット上で権利侵害が発生したときに、何でもプロバイダ等の責任として損害賠償請求をされては、プロバイダ側も安心してサービスを提供できません。そこでプロバイダ責任制限法は、権利侵害の事案が起こった際のプロバイダの責任を制限しています。

情報の発信に対する責任

プロバイダなどは、自社が提供・管理するサーバーやウェブサイトに発信された情報を逐一把握しているわけではありません。発信される情報は日々増加をたどる一方なので、発信されている内容について人権侵害などの違法性があるか否かのすべて判断するは難しいと言えます。

基本的に免責

そこで、プロバイダ責任制限法第3条1項によれば、誹謗中傷や風評被害の書き込みなど違法性のある情報が流通することに関して、プロバイダ等の責任は原則として免責されます。

損害賠償責任を負う例外

ただし、次のいずれかの要件を満たす場合には損害賠償の義務を負うことになっています。

  1. 他人の権利が侵害されていることを知っていたとき
  2. 情報の流出を認識していて、それによる権利侵害を知ることができたと認められるだけの理由のあるとき

情報の削除に対する責任

一方、いったん発信された情報を削除することについては、当該情報に違法性がある場合もしくは発信者からの同意がない場合は、責任を問われることになります。

基本的に損害賠償責任を負う

プロバイダ責任制限法第3条2項によれば、プロバイダ等が書き込みを削除した場合は基本的に損害賠償責任を負うこととされています。発信の場合と違って、基本的に免責はされない規定になっているのです。

免責される場合

こちらも例外はあります。例外的にプロバイダ等が免責されるのは以下のいずれかの場合です。

  1. 他人の権利が不当に侵害されていると信じられるだけの理由があるとき
  2. 発信者に対して削除の可否について意見照会をした場合、発信者が照会を受けた日から7日以内に同意しない旨の回答を行わなかったとき

プロバイダ責任制限法にできること②被害者を救済

この法律にできることの2つめは、インターネットでプライバシー侵害や名誉棄損などの人権侵害をされた者の救済を図ることです。具体的には、被害者に「発信者情報開示請求権」を認めています。

発信社開示請求に強い弁護士一覧

発信者情報開示請求権を認める

プロバイダ責任制限法の第4条では、誹謗中傷や風評被害の書き込みで人権侵害を受けた場合に、その被害者がプロバイダ等に対して発信者の情報を開示するように請求できるとされています。では、請求ができる具体的な要件や流れはどうなっているのでしょうか。

要件

発信者情報開示請求をするための要件は次の6つです。

  • インターネットによって情報の流通がなされた場合である
  • 情報の流通による権利侵害が明白である
  • 情報開示を受ける正当な理由がある
  • 情報開示を求める相手がプロバイダ等に該当する
  • 開示を求める情報が発信者情報に該当する
  • 発信者情報をプロバイダ等が保有していること

発信者情報開示請求は2回以上必要なことに注意!

発信者情報開示請求は、まずサイトのサーバー管理者に対して行い、IPアドレスを開示してもらいます。そののちに、アクセスプロバイダにサーバー管理者から提供してもらったIPアドレスを送付するとともに開示請求を行うこととなります。そのため、発信者情報開示請求は最低2回行うことが必要です。

発信者情報開示請求手続きの流れ

インターネットサービスプロバイダなどで構成されるテレコムサービス協会が、プロバイダ責任制限法を運用するためのガイドラインを作成しています。開示請求は、基本的にそのガイドラインに従って行うことになります。

  1. 被害者側で「発信者情報開示請求書」を作成し、身分証の写しなどの必要書類とともにプロバイダ等に送付
  2. 請求を受けたプロバイダ等が、発信者に「発信者情報開示請求に係る意見照会書」を送付して発信者の情報を開示してよいか意見を聞く(通常、期限は7日~14日以内)
  3. 回答期限を経て、プロバイダ等から請求者側に正式に回答する

司法も動いた

最近になって、発信者情報開示請求にまつわる判例も出てくるようになり、裁判所がインターネットによる人権侵害に積極的に関与するようになってきたことがうかがえます。ここでは、そんな発信者情報開示請求が関わる2つの判例について紹介します。

2016年、新潟地裁が発信者情報開示を請求する判決を下す

2016年9月30日、新潟地方裁判所で画期的な判決が出ました。ネット上に虚偽の写真投稿が行われたことで肖像権を侵害された訴訟に対して、同地裁の近藤幸康裁判官は「発信者が画像を添付した記事を投稿したことで、肖像権が侵害されたことは明らか」と指摘。「原告側には、発信者に対する損害賠償請求のために情報開示を受ける正当な権利がある」という判断を示したのです。

Twitter社にIPアドレスを開示させた例も後押しとなる

この事件の前に、2015年9月に東京地方裁判所が米国のTwitter社に対しIPアドレス開示を命じる判決を下していて、Twitter社がそれに応じたこともありました。こちらの東京地裁の判決が、今回の新潟地裁の判決の後押しになったと言えるでしょう。

インターネットで膨大な情報が飛び交うようになった現代では、いつどこで自分がインターネット上での人権侵害を受けるかわかりません。万が一、そのような被害を受けることがあれば、ただちにインターネットに強い弁護士に相談して対応策を検討することをおすすめします。

ネット誹謗中傷問題に強い弁護士事務所

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