失敗しない誹謗中傷対策業者の選び方|しっかり比較してから依頼を
ネット上で悪評が立つと会社の取引や存続自体にも関わるため、一刻も早く手を打つことが必要ですが、まずは問題が権利侵害にあたるかどうかを弁護士に判断してもらうことが大切です。権利侵害に当たらないものは誹謗中傷対策業者に依頼することになりますが、会社の業務実態についてよく確認した上で依頼するようにしましょう。
インターネット上の誹謗中傷・風評被害が企業に与える影響とは
インターネットの掲示板やSNSに誹謗中傷や風評被害につながる書き込みがされると、個人のみならず企業にも大打撃を与えることになります。企業の場合、売上や会社の存続自体にも関わりますが、ネット上の誹謗中傷・風評被害はどんな影響があるのでしょうか。
商品やサービスの取引の場面では
シエンプレ株式会社と株式会社メディアインタラクティブが、2011年9月に全国の企業間取引経験のある有職者500人を対象に共同調査を実施したところ、以下の事実が判明しました。
ネットで販売会社について調査する人は6割以上
他社製品を購入したり他社サービスを導入する場合、「インターネットで販売会社の概要を調べる」の割合が7割前後と最多となっていました。その他、商品やサービスの評判を調べる人もそれぞれ5割程度います。このことから、新たに他社と取引を始めるときは、まずインターネットで情報を仕入れるケースが多いことがわかります。
購入時に最も参考にするのは販売サイトの口コミ
商品やサービスを購入するときに最も多く利用されていたのは、販売サイトの口コミ・レビューで、商品・サービスともに8割前後を占めました。やはり個人での買い物だけではなく、企業間取引でも口コミやレビューは気になるもののようです。
ネガティブな口コミがあったとき、取引停止を考える人は1割
もし、ネガティブな口コミやレビューを見つけた場合、さらに詳細な情報を調査する人が7割前後いましたが、一方で取引を停止すると答えた人も1割前後いました。商品やサービス販売に対するインターネットの口コミやレビューの影響は、決して少なくないことがわかります。
採用活動の場面では
同社が全国の20〜29歳の有職者500人を対象にアンケート調査を実施したところ、採用活動でもネット上の評判が成否に影響していることがわかっています。
求職者はネットで企業の評判をリサーチしている
調査結果によると、求職者が就職・転職活動の一環で企業をネットリサーチした際、企業名の次に入れたワードの第1位が「評判」で5割以上を占めました。インターネット上の評判が就職・転職活動にも影響を与えていることが見えてきます。
チェックした掲示板では「2ちゃんねる」が最多
ネットでリサーチをする上で参考にした掲示板は「2ちゃんねる」との回答が最も多く6割以上となっていました。2位の「転職会議」(3割)を大きく引き離して第1位でした。
悪評を見つけて、応募をやめる人は約2割も
掲示板で応募を考えている企業に関する悪評を見つけたとき、さらに詳しく調べた人は6割以上いましたが、中には「応募を取りやめた」の回答も2割近くありました。ネット上の評判が求人応募の意思をも左右することがわかります。
誹謗中傷対策業者にできることって何?
以上のデータから、ネット上で一度悪い噂が立つと、商品・サービスの取引や採用活動にも支障が出ることがわかりました。では、そのようなネガティブな噂や誹謗中傷の書き込みをネットから消し去るにはどうすればよいのでしょうか?
業者を探す前にまずはITに強い弁護士に相談を
誹謗中傷や風評被害に繋がる書き込みについて相談したいときに相手として頭に浮かぶのは、警察・弁護士・誹謗中傷対策業者のいずれかではないでしょうか。しかし、それぞれができることには限界があるので、ひとまず弁護士に相談することをおすすめします。
権利侵害に関わるかどうかを調査
まずは弁護士に状況を説明し、権利侵害に関わる問題であるかどうかを判断してもらうことが先決です。弁護士でできることと、専門業者ができることには違いがあるので、その棲み分けをはっきりさせます。このとき、ITやインターネット問題に強い弁護士を選ぶのがポイントです。
弁護士ができるのは法的な解決
弁護士が行うのは、法的なアプローチを使った解決方法です。被害者のプライバシー侵害や名誉毀損などの権利侵害に関わる問題については、サイトや掲示板の管理者に対して書き込みの削除依頼や投稿者のIPアドレス開示請求を行うといった対応ができます。
警察にはあまり相手にしてもらえない可能性も
警察の中には「サイバーポリス」と呼ばれる組織もあり、そこで相談することも可能です。しかし、サイバー警察はより悪質な問題への対応が業務の中心となっているため、個人レベルの問題だと対応してもらえない可能性があります。
誹謗中傷対策業者が対応できること
警察にも弁護士にも対応できないことについては、誹謗中傷対策業者に依頼することになります。業者で対応できることとは、大まかに言えば「検索結果を人目にできるだけ触れさせないようにすること」です。
逆SEO対策
ネット上で依頼人に関する悪い噂が立っているとき、誹謗中傷対策業者はまず「逆SEO対策」を行います。Googleなどのインターネット検索画面に出てくる順位を可能な限り下げることで、見る人を少なくする狙いがあります。
インターネット監視
また、ネガティブな書き込みをいち早く発見するため、インターネットの監視も行います。悪意のある書き込みがされると、依頼人にただちに通知します。 2ちゃんねるなどの掲示板だけでなく、ブログや各種SNSにも対応している業者が多いです。
関連キーワード対策
検索サイトで会社名を検索したときに、「ブラック」「詐欺」「悪徳」などのガティブキーワードが出てくることがあります。このようなネガティブキーワードの威力は、ポジティブなキーワードの3倍とも言われているので、関連キーワードへの対策を行うことが必要です。
信頼できる誹謗中傷対策業者の選び方とは?
では、誹謗中傷対策業者に実際に対策を依頼するとき、どのようにして選べばよいのでしょうか。信頼できて実績もある業者を見つけるのは素人にはなかなか難しいですが、信頼できる業者を見つけるポイントについてお伝えします。
信頼できる業者はこんな会社
安心して作業を依頼できる会社を見つけるためには、以下をチェックしてみることをおすすめします。経営実態や報・連・相などビジネスとして基本的なことがきちんとしている会社は信用しやすいです。
①小規模でも経営基盤がしっかりしている業者
大手企業だと、実際の作業は下請け業者にやらせていて、問い合わせをしてもすぐには回答が得られないことがあります。そのため、小規模で経営基盤がしっかりしている会社の方が大手よりも信頼性は高いと言えるでしょう。
②連絡がこまめにとれる業者
インターネットで悪い噂が広まると、数時間のうちに身元や連絡先、勤務先などがわかってしまうことも多々あります。いったんネガティブな書き込みが発見されれば、ただちに対応する必要があるため、必要なときにすぐに連絡が取れる業者に依頼するのがおすすめです。
③契約期限を短く設定してくれる業者
誹謗中傷対策業者に支払うお金は、積み重なると高額になります。しかし、依頼してから効果が目に見える形で現れるためには時間がかかります。そのため、契約期間が長期のものしかないと、企業の中での決裁も下りにくくなるかもしれません。
チェックすべきポイントとは
信頼して対策をお任せできる会社かどうかを判断するには、以下のポイントについて探ってみましょう。決して安くない費用をかけることになるので、業務実態をきちんと把握することが大切です。
解決事例・解決率を見る
業者のウェブサイトに、解決事例や解決率が載せてあることがあります。この情報が100%真実であるか検証はできませんが、業者を比較検討する上ではひとつの重要な判断材料となるでしょう。
会社情報をチェックする
ウェブサイトに掲載されている会社情報も、ひとつの重要な手がかりとなります。住所はどこか、そこにオフィスは実在するか、GoogleMapで見てみましょう。電話番号が記載されていれば、きちんと通じるか、相手の対応はどうか調べるために電話をかけてみましょう。
担当者に会って話す
可能であれば、時間を作って会社に出向き、担当者に面会して話を聞いてみるのがベストです。実際に会社を訪問すれば、会社や従業員の雰囲気などを自分の目で確認することができ、信頼できそうかどうかの判断もしやすくなります。
非弁行為してないか
非弁行為をしていないかどうかも大きなポイントです。誹謗中傷対策業者が対応できるのは、検索順位の後退など技術的な範囲にとどまります。弁護士にしかできないはずの書き込みの削除要請やIPアドレス開示請求まで行っている業者には、注意が必要です。
誹謗中傷対策業者の実態を把握して、どこの業者が信頼できるのかを判断するのは素人には難しいかもしれません。しかし、できる限り判断材料となる情報を多く集めて比較検討を重ね、信頼できる業者を見つけるようにしてください。