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誹謗中傷や名誉毀損に関する法律(権利)

  • 2016年11月18日 | 2,797view

SNSのネットストーカー被害にはストーカー規制法が適用されにくい

ネットストーカー

インターネットの発達により、ネットストーカー(サイバーストーカー)と呼ばれる犯罪が頻発していますが、ストーカー規制法の適用がなかなか及ばないこともあるのが実情です。個々人が自分自身で自己防衛することも重要ですが、実際にネットストーカーの被害に遭った際にはネット問題に強い弁護士に相談することをおすすめします。

ネットストーカー被害に強い弁護士一覧

ネットストーカーの定義と事例

急速なスマートフォンの普及やSNSの発達により、不特定多数の人とのコミュニケーションが可能となりました。しかし、インターネット上で発生する迷惑行為に対して、法整備が間に合っていないのが現状です。その一つがネットストーカー(サイバーストーカー)です。

ネットストーカーの定義とは

ネットストーカーとは、インターネットの発達により出てきた新たなストーカーの手口です。被害の態様はさまざまで、個人がストーカーになることもあれば集団がストーカーになることもありえます。

ネットストーカーとは

ネットストーカーは別名サイバーストーカーとも言い、ブログやFacebook・Instagram等のSNS、アプリ等のインターネットコミュニティを介したストーカー行為のことを指します。インターネット上での投稿やプロフィールを見て、憎悪や恋愛感情を抱き、一方的な嫌がらせに及ぶのがネットストーカーの手口です。

様々なやり口で嫌がらせ

具体的な被害では、ウェブサイト内での嫌がらせ(誹謗中傷、成りすまし)、個人情報の暴露、インターネットサービスのアカウントの乗っ取り等、多岐に渡ります。インターネット上で詳細の個人情報を取得、住所や職場、交友関係を特定して、ネットストーカーから物理的なストーカー行為に発展する可能性もあります。

集団でストーカー行為をされる場合も

個人間の怨恨・嫉妬であったものを成りすましや誹謗中傷によって、第三者や団体を扇動して、不特定多数の人間から本人や家族が嫌がらせを中長期的に受け、精神的なダメージを負う事もあります。集団でのストーキング行為となった際には、首謀者が特定できず背後関係を把握しにくくなります。

刑事事件で実行犯が検挙されたとしても、対象者(被害者)がネットでの発言等を控える、もしくはネットの利用自体を中止するまで嫌がらせが継続することもあります。

ネットストーカーが話題になった「小金井市アイドル刺傷事件」

ネットストーカーに関する事件で記憶に新しいのは、2016年5月に東京都小金井市で起こった「小金井市アイドル刺傷事件」でしょう。

小金井市アイドル刺傷事件とは?

小金井市アイドル刺傷事件とは、芸能活動をする私立大学生が出演予定のライブハウス周辺で全身をナイフで刺され重体になった事件です。冨田さんのファンとされる容疑者が、プレゼントを送り返されたことでカッとなり犯行に及びました。

警察は相談を受けても真剣に取り合わず…

岩埼容疑者は、2016年1月頃から冨田さんのブログやTwitterに対して批判的なコメントを約400回繰り返しています。このことを受けて、冨田さん本人が5月頃から武蔵野署を訪れ、容疑者の名前を出してストーカー相談をしていたにも関わらず、署は危害がすぐに及ばないと判断してストーカー捜査部門への連絡をしていませんでした。

なぜネットストーカーにはストーカー規制法が適用されないのか

なぜ、Twitterやブログで執拗な嫌がらせコメントをいていたにも関わらず、警察は取り合わなかったのでしょうか。そこには、ストーカー規制法の対象範囲が関係しています。

ストーカー規制法の適用範囲

ネットストーカーに対する直接的な規制法は今のところありません。ただ、間接的にストーカー規制法を適用することで、ネットストーカーへの対処が可能となっています。

ストーカー規制法の適用範囲とは?

「ストーカー規制法」で適用される対象となるのは、以下のような行動です。

  • 行動を監視する、またはそれを匂わせるような発言をする
  • 無言電話、度重なる電話・FAX・メールをする
  • 名誉を侵害するようなことを公表する
  • 性的羞恥心を害するような写真や手紙を送りつけたりネット上などで公表する

これらに該当する行為の場合、警察が加害者へ警告することで行為を中止させ、従わない場合は逮捕することが可能です。しかし、SNSでのストーカー行為を立証することは難しいと言われています。なぜなら、TwitterなどのSNSでのメッセージやコメントは「つきまとい」「ストーカー」としてみなされず、規制の対象外となるからです。

「行動の監視」には該当しないの?

ネットストーカーは、被害者にネット上での接触を繰り返す傾向があるため、2号の「被害者の行動を監視」に該当するとも考えられます。しかし、そもそもネット上で個人が投稿する情報は全世界に向けて発信されるものであり、それをすべて見ていたとしても「被害者の行動を監視」には当たらないとされるのが現状です。

ストーカー規制法の適用となるポイント

ポイントとなるのは「恋愛感情その他好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的」があるかないかです。これらの感情に基づき、各項目に当たる行為を行えば、当然ストーカー規制法を適用することができます。たとえば、被害者のものと称してわいせつ画像(本人とは別人の裸の写真等)をネット上に投稿した場合、7号の「誹謗中傷行為」もしくは8号の「性的しゅう恥心を害する行為」として同法の適用が可能です。

他の罪になる場合も

また単なる嫌がらせ目的でも、以上の行為は「名誉棄損罪」に当たる可能性があります。その他、迷惑行為に及んだ上に対象者に対して不当な要求をしている場合は強要罪、生命・身体・財産などに危害を加える言動ならば脅迫罪、金銭の要求があれば恐喝罪等になる可能性もあります。

ネットストーカーに有効な3つの対処法

ネットストーカーへの対策は、主に3つに分けられます。自己防衛、警察への相談、弁護士への相談です。

対処法①:まずは自己防衛しよう

まずは自分で自分の身を守るための努力をするのが最優先です。インターネットを利用する際、簡単なことに注意するだけで被害に遭うリスクをいくらか減らすことができます。

個人情報は漏らさない

重要なのはインターネットの利用方法です。まず、インターネットで個人情報を安易に漏らさないように心がけます。住所や職場(学校)、メールアドレス、電話番号等、個人を特定しうる情報は発信を一切控えましょう。またメールアドレスをどうしても公開しなければならない場合は、普段使用しないウェブメールなどのサブアドレスを使うなどの工夫が必要です。特に女性の場合、性的な発言・画像の公開にはリスクが伴うことを十分認識しましょう。

SNSなどの利用を中止することが一番

実際に被害にあった際には、ブログやSNS、ホームページの利用中止が確実な対処法です。それらのサービスを閉鎖したり退会したりした後にネットストーカーが標的を探す可能性はありますが、他のところで個人情報を乗せていなければそこで終わるケースも多いです。

また、具体的な嫌がらせ行為を受けた際には、証拠を押さえましょう。いつなにをされたかを記録したメモ、加害者から届いたメッセージやメール、会話や通話内容の録音データ等を保存しておくと役に立ちます。

対処法②:警察への相談

自己防衛策を実施した上で、何かトラブルにあった際には、警察に相談することができます。ストーカー被害に現在あっているなら、ただちに警察へ連絡しましょう。ストーカー関連の相談は警視庁のストーカー対策室、近くの警察署の生活安全課で応じてもらえます。

相談する上での注意点とは

警察に相談する上で懸念されるのが、被害にあっているにも関わらず「事件性はない」とみなされ、真剣に取り合ってもらえないことです。ネットストーカーの被害について相談する際には、証拠となる記録やデータ、物品を一緒に持参して事態の深刻さを強調するようにしましょう。

立件できる案件なら捜査をしてくれることも

警察に相談する上でのポイントは立件可能か否かです。ストーカー規制法が適用となる最たる例は、名誉棄損です。その他、侮辱罪や信用棄損罪等の犯罪行為に該当すると判断されれば、警察による捜査を行われる可能性があります。

対処法③:弁護士への相談

警察以外では、弁護士へ相談することが可能です。警察で取り合ってもらえない場合は対応が遅れて大きな事件に発展する可能性もありますので、早急に弁護士へ相談することをおすすめします。

ネットストーカー被害に強い弁護士一覧

接近禁止の仮処分

ストーカー規制法の適用ができない場合、弁護士に依頼すると「接近禁止の仮処分」の申立てをすることができます。接近禁止の仮処分とは、放置すると身体などに急迫の危険性がある場合に、相手に対して「~~m以内に接近してはならない」と裁判所が命令するものです。申立てを行うためには、証拠を示して実際にストーカー被害に遭っていることを証明(疎明)する必要があります。その他、内容証明により警告や禁止命令を出す方法もあります。

弁護士費用はどうなる?

ストーカー対策にかかる弁護士費用は、各事務所により多少違いはありますが

ストーカー対策にかかる弁護士費用
接近禁止の仮処分を求めるケース 20~40万円程度(※1)
名誉毀損で刑事告訴するケース 20万円程度(※2)

となるのが一般的です。

ネットストーカー(サイバーストーカー)はほおっておくとどんどんエスカレートし、生命にかかわる事態となりえます。大切なのは事件を未然に防ぐことです。インターネットの利用方法やプライバシーに関する内容の発言等に気をつけましょう。万が一被害に遭っている可能性のある場合は、インターネットに強い弁護士に一度相談してみて下さい。

※1:女性共同法律事務所「費用について」
※2:前園法律事務所「名誉毀損・誹謗中傷」

ネット誹謗中傷問題に強い弁護士事務所

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