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誹謗中傷や名誉毀損に関する法律(権利)

  • 2016年11月11日 | 1,882view

googleサジェスト裁判|日本でも差し止めと慰謝料の支払い判決に

google

検索エンジンの検索結果やサジェスト機能からネガティブ情報を削除したいと、Googleを相手取り訴える裁判が欧州から始まりました。日本でも「忘れられる権利」が認められるようになりつつあります。人格権の侵害を根拠に削除請求をすれば、検索エンジンが相手でも例外なく対応できる可能性が高いので、ネット問題に強い弁護士に相談して解決を図りましょう。

検索サジェストの問題に強い弁護士一覧

Googleサジェスト機能が風評被害につながることも

インターネットが生活の中で欠かせない存在になっている昨今、掲示板やSNSへの誹謗中傷書き込み、検索エンジンでの関連検索ワードなどが問題となっています。その中で、裁判での争いに注目が集まっているのが、Googleのサジェスト機能です。

Googleサジェストのメリット・デメリット

Googleサジェストとは、あるキーワードを検索した際にそれと関連する別のキーワードを抽出して表示し、検索のサポートをしてくれるものです。

検索の精度を高めてくれる便利な機能

検索時には通常、複数のワードを組み合わせて入力することが多いのではないでしょうか。サジェスト機能があると、最初に入力されたキーワードと一緒に検索される頻度の高いワードが自動的に表示されるため、検索を効率的にすすめられます。

ネガティブなキーワードが表示される問題も

一方、個人名や企業名などを入力した際、本人には身に覚えのない犯罪の名称やネガティブなキーワード等が出てくることもあります。それによって実害が生じたために、Googleのサジェストをめぐり裁判を起こすケースも現実に出てきています。

GoogleをめぐるEUでの事件裁判

欧州は日本よりもプライバシーに敏感な傾向があり、数年前からGoogleに関わる裁判が度々行われています。フランスやスペインでの事例について見てみましょう。

フランスGoogleに訴えを起こした原告が勝訴

2011年フランスにて、ひとりの女性が、若い頃一度だけ撮影したヌードの映像が30万を超えるページに転載され、ホームページのリンクが自動表示されるとして、Googleを相手取り、情報の削除を求めて訴えを起こし、勝訴しました。

スペインでも原告が勝訴

またスペインでも、とある男性が16歳だった1998年に起こした問題について、すでに解決しているにも関わらず、自分の名前をGoogleで検索すると当時のリンクが表示されるのを「プライバシーの侵害だ」として、該当記事の削除を求める訴えを起こしていました。この裁判で、欧州連合(EU)の最高裁判所にあたるEU司法裁判所は、2014年5月、男性の訴えを認める判決を言い渡したのです。

日本で起こったGoogleサジェスト裁判

日本でもこれらと同じような裁判が提起されています。2013年4月に東京地裁で出された判決が、Googleの「検索結果」を削除するよう命じるものとして国内で初めてではないかと言われています。

名前を検索すると事実無根のネガティブ情報が

ある日本人男性が、Googleに自分の名前を入れると表示されるネガティブワードについて、表示の差し止めを求めて仮処分申請を起こしました。彼はある日突然、会社を解雇されたり内定を取り消されたりするのを不審に思い調べたところ、Googleのサジェスト機能でまったく身に覚えのない、犯罪を連想させる単語が表示されていました。また、複数のサイトに自分を中傷する内容が書き込まれていることに気づいたと言います。

一審では勝訴、二審では敗訴

この訴えに対し、東京地裁は「検索結果から『男性は素行が不適切な人物』との印象を与え、実害も受けた」として名誉棄損やプライバシー侵害を認定。男性側の請求どおり、Google側にサジェストの表示差し止めと、男性が過去に犯罪行為をしたかのように連想させる230件の検索結果の内120件の削除、さらに30万円の賠償金支払いを命じました。

しかし、2014年1月の控訴審判決で、東京高裁は「単語だけでは名誉を傷つけたとは言えない」との見解を示し、原告側が敗訴という展開になります。これを受けて原告は上告したものの、最高裁の判決はまだ出ていません。

「忘れられる権利」の誕生

こうした検索結果の削除を求める裁判が増え、プライバシーの侵害や名誉毀損に苦しむ人が後を絶たないことから、「忘れられる権利」が認められるようになっています。
忘れられる権利とは、ネット上の個人情報やプライバシーの侵害となるような情報、誹謗中傷の表現を削除してもらう権利のことで、「削除権」「忘却権」などとも言われます。

EUでは忘れられる権利の法整備が進む

前述の2011年フランスでの裁判は、世界で初めてインターネット上の個人の「忘れられる権利」を認めたケースとして注目を集めました。これを受けて、EUでは2012年1月に行政執行機関である欧州委員会がEU個人データ保護規則案を発表しました。この規則案には、個人がデータを提供した企業や個人データを収集している企業に対し個人情報の消去を求められる「忘れられる権利」が明記されています。

日本でも忘れられる権利が徐々に認められるように

日本では「忘れられる権利」を認める法令はありませんが、検索結果に関して少なからず裁判が行われている今、検索エンジン側に結果表示の削除を求める仮処分が認められるケースも出てきています。これらが、「日本版忘れられる権利」とも言われています。

検索エンジンに対するそれぞれの立場での見解は

これまで、検索結果からの削除を求める請求は幾度となくされてきていますが、裁判所が関与する手続きで訴えが認められることはほとんどありませんでした。

被害者・Google・裁判所それぞれの見解とは

実際の記事や書き込みであれば削除が命じられているケースも多いのに、検索結果やサジェスト機能をめぐる裁判で請求が通りにくいのはなぜでしょうか。

被害者が主張しているのは人格権

被害者が削除請求の根拠としているのは、人格権の侵害にあります。人格権とは、名誉権やプライバシーに関する権利など、法的に保護されている利益のうち、人格と切り離すことができないすべてのものです。

Google側は「単語を並べただけでは人格権の侵害にあたらない」との考え

一方、「個人名+単語」を並べて表示するだけでは人格権を傷つけるには至らないというのがGoogle側の主張です。例えば、「個人名+詐欺」など単語を並べただけでは、「この人が詐欺事件に遭った」、「この人は詐欺に詳しい専門家」ともとれるので、サジェストがこの人が「詐欺をした人」だとは言っていないというのです。

裁判所は「検索エンジンには責任はない」との見解

検索エンジンは機械的・自動的に記載内容や所在を整理して並べ替えただけであり、責任はなく原則として削除義務を追わない。これが、これまでの裁判所の判断であり、検索結果表示をめぐる裁判では、削除が認められてきませんでした。

検索結果削除も認められるケースが増えてきている

現在も係争中という事例もいくつかありますが、最近では検索結果に対しても「忘れられる権利」がようやく認められ、削除に対する仮処分が出るようになってきました。

検索エンジンの削除義務を肯定

2014年10月東京地裁がGoogleに対して検索結果の表示の削除を命じ、2015年2月には大阪高裁でも検索エンジンの削除義務を肯定する判決が下されました。検索エンジンも他のサイトと同様に削除義務を負う場合がある、という裁判例が日本でも出始めてきています。

削除申立ての増加が予想される

このように、検索エンジンでの風評被害に関する裁判所の見解は変わってきつつあり、関連検索や予測検索の削除を認める判断を示す可能性が高まっています。検索結果の削除の申し立ては今後増えていくでしょう。

風評被害問題を解決するためには

当然のことですが、ネガティブなワードがサジェストされなくなったり、検索結果から削除されたりしても、問題のあるページが存在する場合は、それ自体を削除しなければ意味はありません。

検索サジェストの問題に強い弁護士一覧

検索結果と問題サイト、合わせて削除を

ネット上でのネガティブな情報は、検索結果と個々の問題サイトへの削除申立て両方わせて対応することで、確実に削除ができます。検索結果を削除したいと考えた時には、検索エンジンと記事そのものの両方に対する対策を怠らないようにしましょう。

弁護士に相談して法的対処を

すべてのキーワードが削除できるとは限りませんが、経験豊富なIT弁護士なら多数の事例の取扱いがあるため、そのデータと照合することで正確かつ迅速に削除見込みの判断をすることができるでしょう。

法律に則った削除請求手続きを行う際、ポイントとなるのは人格権などの権利侵害があったかどうかです。風評被害や誹謗中傷の被害に遭ったけれど権利侵害が発生しているかどうか判断ができないときには、法律の専門家である弁護士に相談して早期解決を図るようにしましょう。

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