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ネット誹謗中傷の対策

  • 2016年11月21日 | 6,683view

過去に逮捕されたニュース記事(犯罪歴・逮捕歴・前科)の削除は弁護士に相談を

過去のニュース記事

過去の逮捕歴や前科がインターネット上のニュース記事として一度掲載されると、その情報が拡散されて、多くの人目に晒されることになります。逮捕歴に関する記事の拡散を止めて、社会的に大きな不利益を被らないためにも、一刻も早くネット問題に強い弁護士に相談の上、記事情報の削除を求めることが必要です。

逮捕歴の削除に強い弁護士一覧

前科や逮捕歴に関する記事を削除するには?

インターネット上に掲載された前科や逮捕歴の情報は、アクセス回数は時が経つにつれ減少するものの、掲示板やSNSに転載されるとその記事は拡散され、googleやyahooなどでも検索されやすくなります。

前科や逮捕歴に関する記事が残っている場合の問題点

インターネット上のニュースサイトで前科や逮捕歴に関して実名で報道されると、2ちゃんねるなどの無料掲示板やブログ、twitter等で引用の形で拡散されることがあります。放置しておくと半永久的にネット上に残ってしまうだけでなく、本人はさまざまな不利益を被ることになるでしょう。

就職・転職に不利になる

企業が人を採用する場合、候補者名を検索して調べる会社もあります。企業の採用担当者に前科があることを知られてしまった場合は、採用されない可能性が高いです。現在勤務している会社でも、社内で前科や逮捕歴があることが発覚すれば、すぐに解雇されないとしても場合によっては不当に左遷されたり、昇進の道がなくなるなど、不利益な待遇を受ける可能性があります。

恋愛や結婚にも支障が出る

現在交際中の相手がいる場合、相手に前科があること等がばれると関係が壊れてしまうことになりかねません。また自分に逮捕歴があることを交際相手に理解してもらった上で結婚しようとしても、相手の親や親戚に知られてしまった場合、結婚を反対されるといったことも起こるでしょう。

賃貸住宅を借りる際にも障害が…

賃貸会社でも、契約の際に賃借人をインターネットで検索して逮捕歴を調べることがあります。賃借人の過去の過ちに関するニュース記事がインターネット上に残っていると、名前が検索された場合に前科が知られてしまい、審査に通ることが難しくなってしまいます。

前科情報(逮捕歴)の削除を求める法的根拠は

このように前科情報がインターネット上で残っていると、多くの問題が起こります。自分が嫌な思いをするだけではなく、家族にも肩身の狭い思いをさせ、迷惑をかけることになってしまうため、逮捕歴などの記事は、一刻も早く削除してもらうことが望ましいです。

前科等に関わる事実を公表されない法的利益

インターネット上に掲載された前科情報などの記事の削除を求める場合、法律的な根拠としては、「前科等に関わる事実を公表されない法的利益」にもとづいて削除請求をすることになります。これはいわゆる「プライバシー権」にもとづく権利です。

プライバシー権の侵害

「プライバシー権」は憲法13条において保障されている人権であり、その意義は概ね「私生活をみだりに公開されない権利」としています。
よってこの権利を侵害された場合には、記事の差し止め請求損害や、賠償賠償を請求することができます。

表現の自由と衝突することも

ただしニュース記事の掲載という行為は、憲法21条で保証された「表現の自由」にもとづいた報道の自由です。よってどのような場合でも削除請求が出来るわけではありません。
しかし「プライバシー権」が過度に侵害されている場合、「表現の自由」も制限を受けますので、「プライバシー権」にもとづいて前科情報や逮捕歴に関する記事の削除請求が可能になります。

最高裁の判例では

前科情報の掲載に関して損害賠償請求を認めた最高裁の判例(平成6年2月8日)では、実名での公表が不法行為にあたるかどうかについて、「その人の生活状況や、事件の歴史的、社会的な意義、事件当事者の重要性や社会的活動、影響力」について、「問題となる著作物の目的や性格等に照らして実名使用の意義や必要性をあわせて判断すべき」としています。

インターネット上の前科情報について削除請求をする場合もこの基準を参考に、「プライバシー権」の侵害による不利益が「表現の自由」よりも勝るかどうかで判断されます。

前科情報(逮捕歴)を削除請求するための判断基準とは?

情報を削除することが法的に問題ないとされる場合、どのような場合に前科情報の削除請求ができるのか判断基準をみていきましょう。

情報を削除してもらうための判断基準とは

情報を削除してもらうための具体的な判断基準は以下の4つです。これらを総合的に勘案して削除するかどうかが判断されます。

時間の経過

事件から一定の時間が経過すれば社会への影響や実名報道の必要性は弱まるので、削除請求が認められやすくなります。もとの事件の性質や刑罰の軽重にもよりますが、少なくとも事件後3年、長ければ5年から10年の時間の経過が必要になることもあります。

情報の主体が公の人物か

また報道されている人が公的な立場にあるかどうかも判断基準になります。公的な立場の人物である場合、社会の関心も高く影響が大きいと考えられるため、記事の削除は認められにくくなります。

更正の利益

報道されている人の「更生の利益」も重要になります。たとえば、その人が刑の執行を終えてきちんと就職している場合、執行猶予期間が終了して完全に社会復帰をしているケースは、記事の削除請求が認められることが多いです。また被害者と示談が成立しているのかどうかも判断基準になります。

削除の必要性

裁判所が仮処分を決定するには、「削除の必要性」の有無が強く問われます。現在のところ何の不都合が起こっていないような場合、「緊急に削除する必要性は認められない」と申し立てが却下されることがあります。

前科や逮捕歴に関する情報の削除が認められる場合・認められない場合

逮捕歴に関する情報の削除が認められるかどうかについては、裁判所の見解もまだ統一されていません。過去に削除が認められたケース・認められなかったケースとはそれぞれどのようなものだったのかみていきましょう。

認められたケース:少年時代の逮捕歴掲載への損害賠償請求

かつて新聞などで報道されたある有名人の少年時代の犯罪が、その約1年4か月後、ある雑誌に再びその情報が掲載されました。これについて、その有名人がプライバシー権の侵害であるとして損害賠償を請求し、平成5年東京地裁が原告の訴えを認める判決を下しています。最初の報道から時間が経過していることに加え、雑誌に再度掲載する必要性が低いことから、プライバシー権が重視され慰謝料請求が認められたものです。

認められなかったケース:「忘れられる」権利が高裁で却下

過去に児童買春・児童ポルノ禁止法違反の罪で逮捕歴のある男性が、Googleの検索結果から逮捕歴に関する情報を削除するようさいたま地裁に仮処分を申し立てました。この裁判で、さいたま地裁は国内ではじめて「忘れられる権利」を認めることとなりましたが、のちに東京高裁でこの判決が却下されました。

まず弁護士に相談!前科情報(逮捕歴)を削除するための手続き

削除請求が認められるどうかは法律をよく知らない素人が判断することは難しく、また請求の手続きを個人で行うことは簡単なことではありません。

逮捕歴の削除に強い弁護士一覧

弁護士による記事を削除するための具体的な手順

前科や逮捕歴に関する情報の削除が妥当かどうかは、事件後の時間の経過や犯人の更生の利益、公表の必要性などによって総合的に判断した上で決定されます。そのため、前科などの情報を削除してもらうためには、ネット問題に強い弁護士に相談して対策を講じることがベストです。

拡散状況の把握

まず記事の情報がどこまで拡散したのか、すべて洗い出し状況を把握します。ITやインターネットに詳しい弁護士であれば、様々なツールを駆使し効果的に行うことができるでしょう。

各サイトへの削除請求

次に報道機関のサイトやブログ、掲示板などの管理者に対し、依頼者のプライバシー権に基づき任意で記事の削除請求を行います。請求が正当であれば、多くの場合において削除請求に応じてくれます。

請求に応じない場合は裁判所での手続きへ

サイト側が任意の削除請求に応じてない場合、仮処分や訴訟手続きを行います。裁判所において訴えが認められれば削除命令が出されるので、問題の記事を削除してもらうことができます。

Googleの検索結果の削除も検討

ニュース記事がインターネットに掲載され拡散されると、そのニュース記事に関するまとめサイトが作られてしまうことがあります。また、管理者に連絡が取れなかったり、サイト自体が放置され対応できないというケースもあります。

Googleの検索結果から削除する手も

そのような場合は、Googleに対し検索エンジンの検索結果から削除するための申立てを行う方法も考えられます。ネット上のサイトは検索エンジン経由でアクセスされることが大半なので、検索結果から削除されれば該当記事がアクセスされにくくなるのです。

ネットに強い弁護士に相談を

しかし、一個人がGoogle社を相手に削除申請を行うことは大変な困難を伴います。やはりここはインターネット問題に強い弁護士に頼るべきでしょう。弁護士であれば、検索エンジンの結果から削除するために法的措置をとることが可能です。

たとえITの知識に長けていても一個人で解決を図るには限界があり、また前科歴や逮捕歴に関する記事の削除は、プライバシー権と表現の自由の兼ね合いといった法的な問題も絡んできます。実際に不利益を被っている場合、少しでも被害を最小限に抑えるため、いち早く弁護士に相談し、なんらかの対策を講じるべきではないでしょうか。

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