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ネット誹謗中傷の対策

  • 2017年10月13日 | 4,039view

ネット掲示板の誹謗中傷削除、書き込みの犯人特定は弁護士に相談

ネット掲示板

ネット掲示板を利用していると、見も知らない相手から誹謗中傷の書き込みをされてしまうことがあります。こうした場合、放置しておくとその内容が広まって、大きな被害を受けることにつながります。そこで今回は、ネット掲示板で誹謗中傷を受けた場合の正しい対処方法について、解説します。

ネット掲示板に強い弁護士一覧

ネット掲示板とその種類

ネット掲示板とは、インターネット上において、ユーザーが匿名で投稿をすることができる掲示板のことです。現在、多くの掲示板サイトがあり、それぞれ特徴があります。たとえば、どのような話題も広く取り扱っており、利用者が自分の関心のある掲示板を利用できるものや、地域ごとの話題に特化したローカルなもの、水商売の人を主なターゲットにしているもの、マンションや不動産の売買に関心がある人をターゲットにしているもの、転職希望者が情報交換をすることができるものなどがあります。

ネット掲示板は、上手に利用すると、自分が関心を持っていることについての情報を収集することができるので、とても便利です。最近では、パソコンからだけではなくスマホからも簡単に投稿や閲覧ができるため、スマホユーザーの割合が高い掲示板も人気です。

有名なネット掲示板

具体的には、どのような掲示板があるのでしょうか?以下で代表的なものを紹介します。

2ちゃんねる

最も老舗で有名なネット掲示板は、2ちゃんねるでしょう。2ちゃんねるは、1999年に、西村博之氏という個人が開設したサイトです。それがどんどん巨大化して、今や日本で最大の掲示板となっています。2ちゃんねるには、ありとあらゆるトピックの掲示板があり、投稿数も非常に多いです。2ちゃんねるで特徴的なのは、2ch.netと2ch.scという2つのサイトがあることです。

2つのサイトには同じ内容が掲載されますが、管理者が異なるため、削除させるためには両方に対して手続きをしなければなりません。

また、2ちゃんねるの投稿内容をそのまま反映する「ミラーサイト」や2ちゃんねるの投稿をまとめた「まとめサイト」などもたくさん存在するため、2ちゃんねるでいったん誹謗中傷が行われたら、ほとんど「際限なく」被害が広がってしまうと言っても過言ではありません。

爆サイ

爆サイも、非常に利用者数の多いネット掲示板です。カテゴリの数だけで言うと、2ちゃんねるを抜いて1位となっています。爆サイの特徴は、地域に特化したローカルな話題を取り扱っていることであり、たとえば北海道版や九州版、関東版や関西版などに分かれています。その中に、いろいろな種類のトピックが立っています。

このように、地域に根ざした内容が多いため、爆サイで誹謗中傷が行われたら、周囲の人に、すぐに対象者を特定されてしまうおそれがあります。

2-3.ホストラブ

ホストラブも、有名なネット掲示板です。これは、名前の通り、水商売に携わる人をターゲットにしています。ホストやキャバクラ嬢などだけではなく、店舗の経営者や客も投稿をします。そこで、性的な内容や男女トラブルにかかわる投稿が比較的多く、誹謗中傷やプライバシー権侵害の問題が発生しやすいです。ホストラブでの投稿がきっかけで、親に水商売のバイトがばれた、という人もいます。

したらば掲示板

したらば掲示板という掲示板もあります。これは、ブログで有名なシーサーが運営している掲示板で、「誰でも簡単にスレッドを作ることができる」ことが売りのサイトです。利用者数は、爆サイや2ちゃんねるなどには劣りますが、根強い人気があります。

情報収集手段として適切に利用する分には問題はありませんが、不当に他者の誹謗中傷や人権侵害的な書き込みをする人もいます。

転職会議

転職会議というネット掲示板もご紹介します。これは、就職情報を交換することを目的としたものです。投稿しているのは、主に元社員や現在の従業員で、自社や以前勤務していた会社についての情報を書き込んでいます。利用者は、自分が就職したい会社の情報を見つけて情報収集できますし、このサイトを見て、良さそうな会社を見繕うことなども可能です。

しかし、悪意をもった利用者により「あの会社はブラック」「経営状態が悪い」などと書き込まれて、会社が風評被害を受けることもあります。

みんなの就職活動日記

就職関連のネット掲示板には、みんなの就職活動日記というサイトもあります。これは、楽天が運営しているサイトで、主に大学生をターゲットにしています。3万社近い企業に関する口コミ投稿を見ることができて、それぞれの企業情報や面接の際の状況などを確認することができます。利用者数は、30万人以上、総投稿数は100万件以上と言われており、非常に人気があります。

このサイトも、大学生の就職活動に役立つ有用なものではありますが、使い方を誤ると危険です。特に、大学生は内定をとれなかったり面接で落とされたりするとストレスを溜めるので、そういった不満を掲示板にぶつける傾向もあります。学生によって誹謗中傷的な書き込みをされたら、企業側は信用を失い、就職希望者も減ってしまうため、大きな被害を受けます。

e戸建て、マンションコミュニティ

目的を特化したネット掲示板として、e戸建てやマンションコミュニティもあります。これは、家やマンションを購入したい人が情報交換をするための掲示板です。たとえば、工務店やハウスメーカーの情報や利用した感想、住宅ローンの組み方などについての投稿が見られます。

このサイトも、家を買いたい人が、ユーザーの生の声を聞いて情報収集することができるので有用ですが、中には悪意を持った人がハウスメーカーや工務店の悪口を書き込むことがありますし、ライバル社などによる嫌がらせの投稿もあります。

掲示板では誹謗中傷が多い

以上、ネット掲示板には非常に多くのものがあります。そして、どのようなサイトでも、誹謗中傷が行われやすいことが問題です。

匿名で投稿できること

ネット掲示板で誹謗中傷が起こりやすい理由はいくつかありますが、まずは匿名で投稿できることがその一因になっています。実名ならば心理的に抵抗も強いですが、匿名なので「どうせばれない」と思い、普段なら書かないような内容でも平気で書き込んでしまいます。

感情的になりやすいこと

また、ネット掲示板では感情的になりやすいです。お互いに顔を見て会話していたら、相手の表情や声のトーン、仕草などを確認できるので、相手に対する配慮もしやすいです。電話でも、声のトーンや口調を確認できますし、音声での言葉のやり取りになるので、相手に対して極端なことは言わないというブレーキが働きます。

これに対し、ネット掲示板の場合、完全に文字だけのやり取りで、非常に無機質的な印象を受けます。相手の顔も見えず声も聞こえませんし、そもそもリアルタイムのやり取りでもありません。そこで、感情にまかせて普段は言わないようなことでも平気で書き込んでしまうのです。

気軽・手軽に投稿できること

ネット掲示板は、非常に簡単で気軽に書き込めることも問題です。パソコンからでも文字入力して送信ボタンをおせば終わりですし、最近はスマホユーザーも多いため、さらに投稿が容易になっています。路上を歩きながら掲示板を見ている人もいますし、寝転がってスマホから掲示板に投稿をする人もいます。

知らない間に誹謗中傷されるこわさ

ネット掲示板における誹謗中傷で怖いのは、自分の知らない間に誹謗中傷されているおそれがあることです。掲示板をふだんから利用していて、別の投稿者と議論になったあげくに誹謗中傷の投稿をされたらすぐにわかりますが、自分が利用していないのに、書き込まれる例もあります。たとえば、水商売に携わる人が同僚に悪口を書かれたり、飲食店などが客に「不味い」と書かれたり、企業が「ブラック」と書かれたりします。こうした場合、自分が気づかないうちに情報がどんどん拡散して、被害が広がってしまいます。

誹謗中傷を放置するとどうなるの?

普段ネット掲示板を使っていない人は、そのようなところで誹謗中傷されたとしても、振っておけば良いと考えるかもしれません。しかし、放置すると思ってもみなかった損害が発生するおそれがあります。ネット誹謗中傷による被害は、個人のケースと企業のケースで異なる部分があるので、以下で分けてご説明します。

個人の場合

まず、個人と法人に共通や個人特有の場合の被害内容を見てみましょう。

誤った事実の既成事実化

個人でも法人でも共通する被害として、誤った事実が既成事実になってしまうことが挙げられます。たとえば、ネット掲示板において、「〇〇は不倫している」と書かれたとします。それが虚偽だとしても、その投稿を見て信用する人が増えたら、実際に不倫をしているものだと思われてしまいますし、周囲からそういう目で見られてしまうでしょう。

まとめサイトやSNSによる伝播から炎上してしまう

これも、個人にも法人にも共通する不利益ですが、ネット掲示板に投稿された内容は、その掲示板内における被害にとどまりません。掲示板を利用している人は、多くが自分のブログやSNSを利用していますし、他の掲示板も閲覧投稿していることもよくあります。そ

して、掲示板で「おもしろい」と感じる投稿を見つけたら、自分のブログやSNSに引用したり転載したりして、広めます。また、2ちゃんねるなどの場合、まとめサイトがあるため、そこからも情報が広がります。このように情報がどんどん伝わり、炎上してしまって大騒ぎになるケースもあります。

秘密にしていたことを知られる

特に個人の場合に多い被害として、周囲に秘密を知られてしまう問題があります。これは、投稿された内容が虚偽ではなく、真実であった場合の被害です。

たとえば、親や友人に秘密でキャバクラ嬢のバイトをしていたときに、ホストラブなどの掲示板に投稿されて有名になってしまったら、そこから秘密のバイトがばれてしまうことがありますし、誰にも言わずに不倫をしているときに「〇〇は派遣社員と不倫している」などと書かれたら、そこから家族に不倫がばれて離婚騒動になってしまうおそれもあります。

このように、ネット上の投稿は、虚偽に限らず内容が真実であっても被害が発生することがあるので、注意が必要です。

プライバシー権侵害

個人が被害を受ける類型として、プライバシー権侵害もあります。プライバシー権によって保護されるのは、一般に知られていない私生活上の事実ですから、たとえば家族関係や生活状況、居住場所などを勝手に掲載されたらプライバシー権侵害になります。また、個人情報もプライバシー権の一内容となるので、たとえば氏名やメールアドレス、電話番号などをネット掲示板に書き込まれた場合にもプライバシー権侵害になります。

このような個人情報がネット上に掲載されていると、どのような形で悪用されるかどうかがわからないので非常に危険です。勝手に出会い系サイトや有料サイトに登録されてしまうおそれもありますし、勝手に名前を使われて各種の契約書や証明書などが作成されてしまうおそれもあります。

著作権侵害

これも個人が被害を受ける類型ですが、著作権侵害が起こるケースもあります。人が感情や思想を創作的に表現したものに対しては、著作権が認められます。たとえば自分が書いたブログや詩、小説、作曲した音楽や描いた絵画、撮影した写真などには著作権が発生しますが、自分の知らない間に自分のブログの内容などが掲示板に掲載されていることもあるので、注意が必要です。こういった場合、放置していたら、まるで自分の方が真似をした側だと思われてしまうかもしれません。著作権にもとづいて、早急に削除してもらうべきです。

ストーカー被害

ネット掲示板での投稿内容がストーカー被害につながることもあります。たとえば、住所を投稿されて居住場所がバレたら、ストーカーが自宅に押しかけてくるかもしれません。

また、DVなどを受けていて、夫や元夫から居場所を隠している場合にも同じ問題があります。このような場合、一刻も早く情報を削除してもらわないと犯罪被害につながることもあり、注意が必要です。

法人の場合

次に、法人の場合に受ける被害内容を見てみましょう。

信用が落ちる、イメージダウン

法人の場合には、企業の社会内での信用が問題となります。ネット上で虚偽の悪口を書かれたら、企業の信用が落ちてイメージダウンにつながります。せっかく長年丁寧な営業活動をしてそれなりに評価を受けるようになっていても、ネット上に「実はブラック」などと書かれることにより、社会は簡単にそっぽを向いてしまいます。

利益低下

ネット上で商品やサービスの内容などについて悪口を書かれたら、その商品やサービスが売れにくくなってしまいます。メーカーの場合「粗悪品」と書かれたら商品が売れなくなりますし、飲食店の場合「まずい」「サービスが悪い」「料理が出てくるのが遅すぎる」などと書かれることにより、お客が来なくなってしまいます。商品価格について「ぼったくり」「詐欺」などと書かれた場合も、客は警戒します。こういった被害は、店舗やサービスの「口コミサイト」で多く発生する被害です。

また自分の商品やサービスに直接関係のない内容であっても、たとえば「〇〇医院の院長は不倫していて、女性を妊娠させて捨てた」などと書かれたら、その病院に患者が来なくなってしまうこともあります。

このように、ネット上で誹謗中傷が行われたとき、直接的に店の利益が低下してしまい、経済的な損失が発生することは個人と法人との違いです。

優秀な人材が集まらない

企業に特有の問題として、ネット上で誹謗中傷をされると優秀な人材を集められなくなることがあります。たとえば、ブラック企業などと言われて有名になったら、優秀な学生は応募してこなくなるでしょうし、中途の就職希望者からも敬遠されるでしょう。最近では少子化の影響で、ただでさえ優秀な学生の取り合いになっているので、そのような中、誹謗中傷によって人気がなくなるのは、企業にとって大きな痛手となります。

ネット誹謗中傷被害を受けたら、まずは弁護士に相談すべし!

以上のように、個人であっても法人であっても、ネット上で誹謗中傷被害を受けたら多大な損害を被ります。放っておくと、悪い噂が広まって、周囲から変な目で見られたり、興味本位に詮索されたり、家族関係が悪化したり職場で居心地が悪くなったりしますし、就職や昇進に影響することもあります。法人の場合、売上げが低下して経営に直結することもあり、非常に重大です。

「たかがネット掲示板」と思って放置すると大変なことになるので、被害に遭ったらとにかく早めに弁護士に対応方法を相談しましょう。

管理人は対応してくれないのか?

以上のように、ネット掲示板では多くの誹謗中傷トラブルが起こっていますし、それによる人権侵害や経済的被害も発生しています。それにもかかわらず、掲示板の管理人は対応をしないのか?と疑問を持たれることがあるでしょう。

ネット上の投稿は「表現の自由」によって保障される

掲示板の管理人は、掲示板サイトの運営会社自身やボランティアであることが多いですが、こうした会社運営者や管理人は、掲示板内での投稿内容のチェックや削除にあまり積極的ではありません。それは、面倒だというだけではなく、掲示板への投稿が「表現の自由」によって保障されているからです。

憲法は、日本の国民は自分の思想や考えについて自由に表現できるという表現の自由を保障しており、この権利は、民主主義の基本になる重要な権利です。そこで、人は基本的にはどのような内容を投稿しても自由なのです。ただ、他人の権利を侵害してしまう表現は無制限には認められないので、その限度での制約を受けます。

管理人が自主的に削除することはほとんどない

そこで、ネット掲示板での投稿内容をむやみやたらに削除すると、管理人は、今度は投稿者の側から損害賠償請求をされてしまうおそれもあるのです。こうしたこともあり、管理者は、掲示板の投稿内容については、基本的に自由に任せています。誹謗中傷被害を受けた場合、被害者が自分から苦情を言っていかない限り、管理人が自主的に問題のある投稿内容を削除してくれることは、期待しにくいです。

削除させる方法とは?

それでは、実際に誹謗中傷の被害を受けたとき、不当な投稿を削除させるには、どういった方法をとればよいのでしょうか?これについては、2つの方法があるので、以下で順番に説明します。

任意で削除を求める方法

まずは、管理人に任意で削除をしてもらう方法があります。つまり、問題のある投稿内容を特定して管理人に連絡をして、「権利侵害があります」ということを理解してもらい、管理人の判断で削除をしてもらうのです。この方法であれば、被害者が自分一人ですすめることもできます。

削除依頼フォームなどを利用することが多い

任意で削除を求めたい場合、掲示板の「削除依頼フォーム」などを利用することが普通です。多くのネット掲示板には、「削除依頼フォーム」や「削除専用スレッド」などの削除のための方法が用意されているので、基本的にそれに従って管理人に通報をして、削除請求をします。そういった方法がないサイトの場合には、管理人に直接メールなどで連絡を入れます。

自分で削除依頼するときの注意点

ただ、自分で削除依頼を出すときには、方法に注意が必要です。まず、感情的になってしまい、投稿内容の何が問題なのかをうまく伝えられないケースがあります。通報をするときには、投稿内容のどこがどのように問題になるのかについて、論理的にわかりやすく説明することが必要です。また、削除依頼をするとき、自分としては早く対応してもらいたいので何度も連続して依頼を送信してしまいがちですが、連続して何度も依頼をすると、管理人から警戒されて、かえって削除に応じてもらえなくなるおそれがあります。

削除依頼スレッドの問題点

さらに、削除専用スレッドを利用するときには、別の問題があります。この場合、新たに削除依頼のスレッドを立てることになるため、その内容が全体に公開されてしまいます。そうなると、かえって誹謗中傷内容を改めて広めることにもなりますし、下手をすると炎上してしまうおそれなどもあります。削除依頼スレッドを立てるときには、スレッド内での問題点の指摘や表現方法などについて、慎重に対応しなければなりません。

削除のタイミング

こういった方法で管理人に削除依頼をした結果、管理人が削除が相当であると判断したら、任意で削除してもらうことができます。削除してもらえるまでのタイミングは、掲示板サイトによってさまざまです。3日であることもありますし、1週間であることもあります。それぞれのサイトの規約や「削除依頼の取扱」などのページを見て、個別に確認しましょう。

法的な請求をする方法

任意の削除請求に管理人が対応してくれない場合には、法的な対応をとる必要があります。法的な対応とは、法律に基づいて、裁判所を使って問題の投稿を削除させる方法のことです。この場合、自分で対応することは難しく、弁護士に依頼する必要性が高いです。以下では、法的請求による削除請求の流れをご説明します。

弁護士に依頼する

この場合、まずは弁護士に相談をして、削除請求の手続を依頼することから始まります。後に説明しますが、ネット上の誹謗中傷記事を削除させるためには、自分で対応するより弁護士に依頼した方が圧倒的に有利になるからです。弁護士に依頼すると、弁護士は掲示板の管理者に対し、連絡を入れてくれます。このとき、削除依頼フォームを利用することもありますが、直接相手にメールや手紙を送ることもあります。

弁護士に交渉をしてもらう

相手に通知を送ったら、弁護士が管理人と交渉を開始します。掲示板の利用者本人が削除請求をしても対応しなかったサイトであっても、弁護士が交渉を重ねることにより、任意で削除してもらうことができるケースがあります。任意で削除に応じてもらえたら、非常に短期間で問題を解決できます。

仮処分を申し立てる

弁護士が交渉をしても削除請求に応じてもらえない場合には、裁判所で「仮処分」という法的な手続きを利用する必要があります。仮処分とは裁判所から管理人に対し、「記事を削除しなさい」という仮の命令を出してもらうことです。仮処分は、その後に続く訴訟を前提としたものですが、通常の裁判は非常に長い時間がかかります。その間、問題が放置されると権利者の受ける不利益が大きいので、仮の命令が認められるのです。

このように、状況が切羽詰まったときに認められる処分なので、仮処分は比較的早く決定を出してもらうことができます。弁護士に依頼して、記事削除の仮処分命令を申し立てたら、だいたい2週間~1ヶ月の間には裁判所がサイト側に対し、仮処分命令を出します。そして、多くの掲示板サイトの運営会社は、裁判所の命令には従うので、この方法によって問題の記事を削除してもらうことが可能です。

2ちゃんねるなどの場合、運営会社が海外法人なので、日本の裁判所の仮処分の効果が及ばないのではないかが心配な人もいますが、2ちゃんねるでも、仮処分が出たら記事の削除をしてもらえるので、安心しましょう。

ただ、海外法人の場合、裁判所からの文書の送達に時間がかかるため、仮処分がスムーズに進まず、記事が削除されるまでの期間が長引くことはあります。たとえば2ch.netの場合には、フィリピン法人への送達が必要になるため、それだけで10ヶ月くらいかかってしまいます。

削除すれば済むのか?

このように、仮処分を利用したら、誹謗中傷的な書き込みを削除させることが可能です。

ただ、ネット上で誹謗中傷被害を受けたとき、削除してもらったらすべて解決、というわけにはいきません。それは、掲示板が匿名であることと関係します。

6-1.削除しても再発を防ぐことができない

ネット掲示板では匿名で投稿されるため、削除が認められたとしても、そのような不当な投稿をどこの誰が行ったのかが明らかになりません。しかも、裁判所が記事削除を命じるのはサイト管理者であるため、サイト管理者が投稿者本人に連絡しない限り、投稿者は投稿内容が削除されたことすら知らないのです。不当な投稿をする人は、「どうせバレない」とか「責任追及されるはずがない」などとたかをくくっていることがほとんどです。投稿内容を削除させただけでは、本人がまったく反省をしないため、再度同じような投稿が繰り返される可能性が高いです。結局、書き込み犯人とのいたちごっこになってしまうのです。

また、相手に悪意がないケースもありますし、ライバル社からの嫌がらせの投稿であることもあり、それぞれケースに応じて適切な対応をとらないと、再発を防ぐことができません。被害者としても、一体どこのどのような人物が、何の意図をもって権利侵害を行ったのかが知りたいのが普通です。

以上のようなことから、誹謗中傷被害を受けたら、削除だけで終わることなく、犯人を特定して何らかのペナルティを与えるべきです。

ネット上の匿名投稿者は特定できる

ネット上の投稿は匿名だからバレないなどと思われていることがありますが、これは完全な誤解です。投稿をするときには、サイト上にいろいろな足跡を残してしまうため、順番に調査をしていけば投稿者を特定することは可能です。不当な投稿をされたら、法的な手続きを使って犯人を特定して連絡をすることができるのです。

ネット掲示板誹謗中傷書き込み犯人特定までの流れ

それでは、掲示板に権利侵害の内容を投稿した相手を特定するためには、具体的にどういった手続きが必要になるのでしょうか?

この場合、まずは弁護士からサイト管理者に対し、発信者情報開示請求をします。発信者情報開示請求とは、プロバイダ責任法という法律にもとづく請求であり、ネット上の投稿によって権利侵害を受けた人が、サイトの運営やプロバイダに対して、投稿をした人の情報開示を求めることができるものです。

そして、このとき求める請求内容は、ネット掲示板の種類によって異なります。ネット掲示板には、「実名登録型サイト」と「匿名サイト」の2種類があります。実名登録サイトとは、掲示板の利用時に実名で登録をするタイプのサイト、匿名サイトとは、匿名で登録して利用できるサイトのことです。以下で、この2つに分けて対処方法を説明します。

実名サイトの場合

実名登録サイトの場合、サイトの運営者が投稿者の実名を初めとした情報を把握しています。そこで、運営者に対して直接本人についての情報開示を求めることができます。

このとき、まずは任意での情報開示を求めます。開示請求を受けたサイト運営者は、通常投稿者本人に対し、発信者情報開示照会書という確認を行います。これは、「あなたの情報を開示してもいいですか?」ということを確認する手続きです。ここで、本人が「いいですよ」と答えたり、7日以内に回答をしなかったりした場合には、サイト管理者(プロバイダ)が本人の情報を開示しても責任を問われないことになっています。ただ、多くのケースにおいて、本人が「開示しても良い」と回答することはなく、サイト管理者からの任意開示を受けることは難しいです。

そこで、次の手段として、サイト管理者に対し、本人の情報(住所氏名等)の開示請求をする裁判を起こします。この裁判のことを、発信者情報開示請求訴訟と言います。この裁判は仮処分ではなく本裁判なので、仮処分のように簡単に請求を認めてもらうことはできませんし、時間も長くかかります。自分の権利が侵害されていることや開示の必要性を主張・立証して、裁判所が開示が必要だと判断したら、サイト管理者に対して開示を命令する内容の判決が出るため、これによって相手の住所氏名等の情報を獲得することができます。

匿名サイトの場合

それでは、投稿者が実名を登録してない匿名サイトの場合、どのような手続きを進めたら良いのでしょうか?

2段階の手続きが必要になる

この場合、手続きはさらに複雑になります。匿名サイトでは、投稿者が匿名で登録しているため、そもそも掲示板の運営者自身が投稿者の情報を把握していないからです。サイト管理者がわかるのは、投稿者のIPアドレスやタイムスタンプという投稿時に残される情報のみです。そこで、まずはこれらの開示を受けなければなりません。

IPアドレスやタイムスタンプが判明したら、相手が利用している経由プロバイダを特定することができます。経由プロバイダは、相手の氏名や住所などの情報を把握しているため、こちらに情報開示請求をしたら、相手の素性を知ることができます。このように、匿名サイトの場合には、

  • サイト管理者への情報開示請求
  • プロバイダへの情報開示請求

の2段階の手続きが必要になります。

サイト管理者への仮処分が必要になることも多い

しかも、サイト管理者に情報開示請求をするとき、やはり例によって、サイト管理者が任意による情報開示に応じてくれることは少ないです。そこで、サイト管理者に対し、発信者情報開示の仮処分を行うことにより、裁判所から開示命令を出してもらわなければなりません。

裁判所がサイト運営者に情報開示命令を出したら、サイト管理者から投稿者に関するIPアドレスやタイムスタンプの情報が開示されます。これがわかったら、WHOIS検索機能などを使って、投稿者の経由プロバイダが判明します。この手続きは、弁護士がしてくれます。

ログ保存の仮処分も必要になる

ここで、1つ、注意すべき点があります。それは、プロバイダにおけるログ保存期間の問題です。保存期間が過ぎてしまったら、プロバイダに対して犯人の情報開示を求めても、判明しない可能性があります。具体的な期間は、対象プロバイダによってさまざまですが、スマホや携帯の会社(NTTドコモやKDDI、ソフトバンクなど)ではだいたい3ヶ月程度、パソコンのプロバイダの場合にはだいたい半年くらいであることが多いです。そこで、ログが消えてしまう前に、まずはプロバイダに対して、ログ保存の仮処分を行う必要があります。

プロバイダに対する裁判をする

この手続きが終わったら、プロバイダに対して具体的な投稿者の氏名や住所などの情報開示を求めます。プロバイダによっては弁護士が任意交渉を行うことで、任意で情報開示してくれる場合もあります。ただ、やはり多くのケースでは、拒絶されます。そこで、最終的にプロバイダに対し、発信者情報開示請求の裁判を行う必要があります。これは、実名サイトのケースでサイト管理者に行う発信者情報開示請求と同じ手続きです。本訴訟なので、期間は8ヶ月~10ヶ月くらいかかります。こうしたステップを踏むことにより、ようやく犯人を特定することができるのです。

削除や犯人特定をしたいときには、弁護士の力が必要!

以上のように、ネット誹謗中傷被害を受けたときには、問題の投稿を削除させて、犯人を特定する作業が必要です。ただ、その手続きは非常に複雑で困難なので、とても素人が1人でできるものではありません。仮処分や裁判を何度もしないといけないのに、すべてを自分だけですすめることなど、考えられない人がほとんどでしょう。

そこで、誹謗中傷記事を削除させたり犯人特定をしたりしたいなら、弁護士の力を借りることが必須です。また、自分が気に入らない投稿であっても必ず削除出来るとも限らないので、専門家の意見を聞く必要があります。

もし、ネット掲示板で自分についての納得できない投稿が書き込まれているなら、削除出来るかどうかも含めて、一度早めに弁護士に相談し、違法な投稿が行われているのであれば、早急に弁護士に依頼して削除と犯人特定をすると良いでしょう。

どんな責任が発生するのか?

このように、ネット上で誹謗中傷をした相手を特定するのは非常に大変な作業ですし、時間もかなり長くかかります。こんな苦労をして発見した相手に対し、具体的にはどのような請求をすることができるのでしょうか?相手に発生する責任の内容が問題です。

不法行為責任

この場合、主に問題となるのは、不法行為責任です。不法行為とは、民法上に定められている責任であり、違法な行為によって相手に損害を与えた場合に発生するものです。ネット上で誰かを誹謗中傷する行為は、違法ですし、誹謗中傷された人は、さまざまな損害を被ります。名誉毀損やプライバシー権侵害を受けた人は、精神的損害を被りますし、法人が嫌がらせの投稿をされて売上げが低下した場合には、経済的な損失も発生します。

そこで、誹謗中傷をされた人は、犯人に対し、不法行為にもとづく損害賠償請求として、慰謝料や売上げ低下分の損害の支払いを請求することができます。

刑事責任

次に問題になるのは、刑事責任です。刑事責任とは、いわゆる「犯罪」を犯した場合に負う責任のことです。それでは、ネット上で誹謗中傷を行った場合、具体的にはどのような犯罪が成立するのでしょうか?

名誉毀損罪

まず、もっともイメージしやすいのは、名誉毀損罪でしょう(刑法230条)。名誉毀損とは、公然と人の社会的評価を低下させるような事実を摘示した場合に成立する犯罪です。ネット上で、他人の評価を低下させるような事実を投稿した場合には、名誉毀損罪が成立します。この場合、3年以下の懲役または50万円の罰金刑になります。

名誉毀損罪について、一点注意しなければならないことがあります。それは、たとえ真実であっても名誉毀損が成立するということです。たとえば「〇〇は上司と不倫している」と書かれたとき、それが事実でも相手に名誉毀損の責任を問うことができます。世間的には、「内容が本当だったら名誉毀損にならない」という思い込みもあるので、これを機会に押さえておきましょう。

侮辱罪

次に問題になるのは、侮辱罪です(刑法231条)。これは、事実ではない方法で人の社会的評価を低下させた場合に成立する犯罪です。ネット上でも、たとえば「馬鹿野郎」などと罵倒する内容を投稿したら、侮辱罪になる可能性があります。侮辱罪の法定刑は、拘留または科料です。

業務妨害罪、信用毀損罪

法人や営業している個人(飲食店など)が誹謗中傷被害を受けた場合に問題になりやすいのが、業務妨害罪や信用毀損罪です(刑法233条)。業務妨害罪は、虚偽の事実を広めることによって、他人の業務を妨害したときに成立します。信用毀損罪は、虚偽の事実を広めることによって、他人の信用を傷つけた場合に成立します。信用毀損罪の「信用」とは、経済的な信用のことなので、たとえば「あの会社は資金繰りが苦しい」「倒産寸前」「給料も支払えていない」などと書かれたら、信用毀損罪になる可能性があります。業務妨害罪と信用毀損罪の刑罰は、3年以下の懲役または50万円以下の罰金であり、名誉毀損罪と同じになります。

なお、業務妨害罪や信用毀損罪は、「内容が虚偽の場合」にのみ成立します。そこで、店の営業妨害になるような悪口を書かれても、それが本当であれば業務妨害罪を問うことはできません。ただ、名誉毀損は内容が真実であっても成立するので、相手に対し、名誉毀損罪の責任を追及したり、名誉毀損にもとづいて慰謝料請求したりすることは可能です。

相手を特定した後の対処方法

相手を特定できたら、その後相手に対してどのような手続きをとれば良いのでしょうか?以下で、具体的な対処の方法を説明します。

まずは、相手に直接損害賠償請求する

誹謗中傷の犯人には民事上の責任と刑事責任の2つが成立しますが、まずは民事責任の追及方法から説明します。民事責任とは、損害賠償責任のことであり、かみ砕いて言うと、「お金を払ってほしい」という請求のことを言います。そこで、相手の民事責任を追及したいなら、まずは相手に対し、任意での支払いを求めるのが基本です。このとき、自分で請求をすることもできますが、弁護士に手続を依頼することも可能です。

どちらの場合でも、まずは「内容証明郵便」という郵便の方式を使って、相手に対し、損害賠償金の支払い請求書を送ります。個人の場合なら慰謝料がメインになりますが、法人の場合で売上げの低下などがあれば、その分を計算して、賠償金の総額の支払いを請求します。

相手に請求書が届いたら、その後相手との間で賠償金の支払いについての交渉を開始します。相手が支払いに応じ、金額についてもお互いに合意ができたらその内容で和解が成立します。この場合、合意書を作成して双方が署名押印をして、その内容にしたがって相手に支払をしてもらったら、民事上の問題が解決されます。

損害賠償請求訴訟をする

相手が支払いに応じない場合や、話し合いをしても金額や支払い方法で合意ができない場合には、相手に対し、裁判をしなければなりません。この場合の裁判は、損害賠償請求訴訟です。この裁判も、通常の裁判ですから、手続きは複雑ですし、期間も長くかかります。

裁判では、自分の請求に根拠があることを裁判所に納得してもらわないといけないので、主張方法や立証方法に工夫が必要です。

うまく訴訟をすすめて、裁判所が相手の責任を認めてくれたら、裁判所から相手に対し、賠償金の支払い命令を出してくれます。これにより、相手から支払いを受けることができます。

強制執行もできる

ネット上に平気で人の誹謗中傷をするような相手であれば、裁判をしても支払をしてくれないのではないかが不安な人もいるでしょう。

ここで、裁判所で判決を出してもらった場合には、判決にもとづいて、相手の財産を差し押さえることができます。たとえば、相手の預貯金や不動産(家など)、給料、生命保険などを差し押さえて、取り立てをすることができます。よって、裁判をしても無視されて泣き寝入りになる心配は要りません。ただし、相手の財産の内容については、債権者側が調査する必要があります。

刑事告訴する

ネット掲示板に違法な誹謗中傷の投稿をしたら、刑事責任も発生しますが、相手にこの責任をとらせるには、どのように対処したら良いのでしょうか?

この場合、刑事告訴をすべきです。刑事告訴とは、犯罪の被害者が、警察や検察に対し、犯人を処罰してほしいと意思表示することです。刑事告訴があったら、警察や検察は捜査に乗り出して、本当に違法行為が行われていることが確認できたら犯人を逮捕してくれます。

また、名誉毀損罪や侮辱罪は、親告罪です。親告罪とは、刑事告訴がないと犯人を逮捕することができない犯罪なので、被害者が刑事告訴しないと、警察や検察は動いてくれないのです。そこで、相手を逮捕して処罰してもらうためには、必ず刑事告訴が必要です。

刑事告訴をしたら、後は警察や検察が捜査をすすめて相手を逮捕して、必要があったら刑事裁判を起こし、相手を処罰してくれます。

証拠を揃えることが重要

以上のように、ネット上で誹謗中傷行為をした相手に対しては、民事損害賠償や刑事告訴をすることができますが、どちらのケースにおいても、相手が違法行為をしたことの証拠が非常に重要です。証拠としては、相手が違法な投稿をしたその内容を保存することが必須です。つまり、相手の投稿内容が掲載されたネット上の画面が必要だということです。

ところが、誹謗中傷が残っていると、損害が拡大するために、このような画面は早期に削除請求によって削除してしまっています。そうなると、相手をせっかく特定しても、損害賠償や刑事告訴ができないことになります。このようなことがないように、誹謗中傷被害を受けたら、まずはその記事の内容を保存しておくべきです。具体的には、紙にプリントアウトをしたり、画面上の写真を撮影したり、スクリーンショットをとることによって、証拠保存しましょう。

自分が削除請求をしなくても、相手が自主的に削除したり、管理人の判断で削除されたりすることもあるので、問題のある投稿を見つけたら、まずは証拠保存することをおすすめします。

ネット掲示板での誹謗中傷問題を弁護士に相談すべき理由

以上のように、ネット誹謗中傷を受けた場合の対処方法は、非常に複雑で、素人が1人で取り組むにはまるで気が遠くなりそうな作業です。そこで、風評被害や嫌がらせに遭った場合には、必ず専門家である弁護士に相談して、依頼することをおすすめします。以下では、ネット風評被害の対処を弁護士に依頼すべき理由を、より深く説明します。

難しい裁判手続きに適切に対応できる

ネット誹謗中傷への対処方法は、非常に複雑です。サイト管理者やプロバイダなど、複数の業者を相手に仮処分や訴訟を繰り返さないといけません。このような対処は、素人にはほとんど不可能です。弁護士が対応しても数ヶ月~1年近くかかるのですから、素人が取り組んだら何年かかるかわかったものではありません。

ここで、弁護士であれば、ネット問題への対処方法のノウハウや知識を持っていて、手続きにも慣れているのでスムーズに対応してくれます。ただし、この場合、ネット問題に強い弁護士を探すべきです。ネット問題は弁護士の取り扱い分野の中でも限定された分野なので、誰でも得意としているわけではないからです。ネット問題が不得意な弁護士に依頼すると、かえって炎上の要因になってしまうこともあるので、注意が必要です。

ネット誹謗中傷問題では法律知識が必須

素人がサイト管理者やプロバイダ、相手本人と交渉をしようとしても、うまくすすめることは難しいです。ネット誹謗中傷の法律構成は、民法上の不法行為だけではなく、プロバイダ責任制限法や名誉毀損、プライバシー権侵害、著作権法違反、侮辱罪や業務妨害罪、信用毀損罪などの多くの法律が絡むため、素人では一体何を根拠として主張をすれば良いかがわかりませんし、自分が理解できていない状態では、相手を説得することもできないからです。

ここで、弁護士であれば、法律問題の取扱が仕事ですから、基本的に上記のような法律は完全に理解していて、説得的に相手と交渉を進めることができます。このことで、被害者が主導権を握り、有利な内容で解決することが可能になります。

早急に記事を削除してもらえる

ネット上で誹謗中傷を受けた場合、とにかく早く記事を削除してもらうことが必要です。1回情報が世間に広まってしまったら、もはやその前の状態に戻すことは不可能だからです。

自分で対応しようとすると、スムーズに手続出来ないのでいつまでも記事が残ったままになり、不利益が大きくなります。この点、弁護士に対応を依頼したら、速やかに仮処分を申し立てて、裁判所から記事の削除命令を出してもらうことができるので、傷が浅いうちに問題の投稿を削除させることができて、メリットが大きいです。

犯人が特定された後の手続きも依頼できる

ネット誹謗中傷問題では、犯人を特定するまでの手続きが大変なので、特定するまでに疲れ果ててしまいます。自分で対処していたら、その後相手と交渉をしたり刑事告訴をしたりする気力が残っていないことが多いでしょう。

ここで、弁護士に対応を依頼していたら、犯人特定までの手続きをスムーズに進めてくれますし、その間依頼者は、自分ではほとんど何もしなくて良いので、非常に楽です。また、犯人が特定された後の民事賠償の請求や刑事告訴などもすべて任せることができるので、負担がほとんどかかりません。このようなことは、大きすぎるほど大きなメリットと言えます。

間違った対処をしなくて済む

弁護士に誹謗中傷対策を相談していたら、依頼者は、常に正しい判断をすることができます。

ネット誹謗中傷問題は非常に複雑でわかりにくいため、自分が今どういった位置にいて、今何をすべきかがわかりにくいことが多いです。たとえば、今から行うのは仮処分なのか本訴訟なのかがわからなかったり、今から請求する相手がサイト管理者なのかプロバイダなのか相手本人なのかなどもわからなかったりします。さらに、ログ保存の仮処分をしないとログが失われて犯人を特定できなくなるタイミングがありますが、自分で対応していたら、そういった時期の判断や仮処分の起こし方がわからず、いつの間にかログが失われていた、ということも起こります。

このような不利益を避けるためには、弁護士に常に横にいてもらってアドバイスをもらうべきです。そもそも弁護士に全てを任せていたら、弁護士がその都度適切に対応してくれるので、依頼者は「これから何をすべきか」「今すぐにログ保存をしなければ」などと考える必要がありません。ぼんやり待っているだけで、間違いなくどんどん手続きを進めてもらえるのですから、大きなメリットがあります。

ネット掲示板に強い弁護士一覧

ネット掲示板の投稿削除や犯人特定にかかる弁護士費用の相場

メリットが大きいから弁護士に依頼した方が良いとわかっていても、弁護士費用が高額になるから心配だという人も多いでしょう。そこで、以下ではネット誹謗中傷問題にかかる弁護士費用の相場をご紹介します。

弁護士費用は、着手金と報酬金という2種類の費用から成り立っています。着手金とは、弁護士に何らかの手続を依頼した当初にかかる費用、報酬金とは、弁護士に依頼して事件を解決できたときにかかる費用です。そして、これらの費用は、事件ごとに発生します。これを前提にして、個別の事件にかかる費用を見てみましょう。

削除請求について

任意で削除に応じてもらえた場合

まず、記事を削除してもらうための費用を説明します。この場合、サイト管理者に任意で削除に応じてもらえたのか、仮処分が必要になったのかで費用が異なります。

任意で削除に応じてもらえた場合には、着手金が 3万円~5万円、報酬金が5万円程度が相場となります。

仮処分

仮処分が必要になった場合、着手金が15万円~20万円、報酬金が20万円程度、合計40万円程度が相場となりますまた、報酬金がかからない事務所もあります。

犯人特定にかかる費用

犯人を特定する場合の費用は、着手金が20万円程度、報酬金が20万~30万円程度です。

報酬金がかからない事務所もあります。

以上が相場ですが、相手が海外サイトの場合には、10万円~20万円程度、加算されることが多いです。報酬金がかからない事務所でも、着手金が高額な場合があります。さらに、ネット掲示板の種類や投稿内容、投稿の件数によっても費用は異なってくるので、個別の事案でかかる費用については、依頼時に弁護士に確認しましょう。

犯人に対する損害賠償請求の費用

次に、犯人に対して損害賠償請求をするときの費用を確認しましょう。この場合、いくつかのパターンがあります。

着手金と報酬金がかかる事務所

まず、標準的に着手金と報酬金がかかる事務所があります。この場合、着手金の金額は10万円~20万円程度、報酬金の金額は回収できた金額の16%程度となります。

着手金なしの事務所

次に、着手金がかからない事務所があります。報酬金のみなので、持ち出しがなく、依頼しやすい形態です。この場合、着手金は0円ですが、報酬金は相手から支払いを受けられた金額の20%程度となります。

報酬金なしの事務所

さらに、報酬金がかからない事務所もあります。この場合、着手金が20万円かかるのみです。

刑事告訴にかかる費用

刑事告訴の費用については、個別に相談をして確認してほしいという事務所が多いです。内容によって費用が変わるためだと思われます。ただ、相場としては1件30万円以上と考えましょう。刑事告訴後のサポート内容によっても費用が変わりますし、報酬金が加算されるケースもあります。詳細は、依頼する弁護士に確認しましょう。

ネット誹謗中傷の相談無料の弁護士・法律事務所を活用しよう

以上のように、ネット掲示板で嫌がらせや悪口などの誹謗中傷被害を受けたら、放っておくと不利益が大きくなるため、早期に削除をさせる必要があります。また、削除請求の手続は非常に専門的で複雑なので、被害者が自分で対応するのは困難です。必ず弁護士に依頼しましょう。

弁護士に依頼すると、早急に投稿を削除してもらえますし、投稿をした犯人を特定することも可能です。犯人を特定したら、慰謝料や売上げ低下分などの損害賠償請求をして、場合によっては刑事告訴をして責任追及を行いましょう。

弁護士に依頼したら費用がかかりますが、費用を上回るメリットがありますし、ネット上の誹謗中傷を放置しておくデメリットの方が大きいです。効果的に投稿を削除させるには、弁護士の中でもネット問題に強い弁護士を探して依頼しないと意味が無いので、注意が必要です。被害に遭ってしまったら、ホームページを検索してネット問題が得意な弁護士を探し、スムーズに投稿を削除させて相手にペナルティを与え、再発を防ぎましょう。

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