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  • 2017年10月17日 | 988view

ブログやサイト運営で注意したい、引用と盗用(転載)の違いとは?

ブログ

インターネットが普及し、個人がブログ等のWebサイトを無料で簡単に作れるようになりました。しかしそれに伴い他サイトの記事からの盗用等の問題でトラブルに発展することも増えています。サイトの作成には著作権関連の最低限の知識は必要と言えます。そこで今回は引用と盗用(転載)の違いについて法的視点から具体例を交えて解説します。

盗用が問題になっている

私達は皆何かを“真似”て“学習”することから始まりました。幼い頃母親の言葉を真似て話せるようになり、字を書くにも手本を模倣し、スポーツでは先輩やコーチのやり方見て自分のものにしてきたはずです。しかし、インターネット上では、他人の著作物を無断で使用し自分のものとして利用した場合に問題になります。

盗用は著作権法違反

昨今インターネット上での著作権にまつわる幾つかの問題が議論されていますが、他人の著作物を無断で使用する盗用行為もその一つで、近年社会問題になっています。

インターネットでの盗用が横行している

他人が作成したブログ等の記事を無断で使用したり、インターネットに公開されている写真を勝手に利用する“盗用”が蔓延しています。知的財産権の窃盗とも呼べるこの行為は以前から存在しましたが、近年のパソコン等の文字入力端末やインターネットの普及によって誰もが簡単にコピー&ペーストで複製できる様になったことが事態に拍車をかけたと言えます。他人の創作物をそのまま使う盗用は、インターネット以外の場所でも複数の観点から問題になっています。

能力を図る場面での盗用

例えば個人の能力を測る場面で盗用がなされた場合も問題が生じます。代表的なケースに大学の卒業論文でインターネットの記事を盗用する例が挙げられるでしょう。卒業論文の作成は学生にとって骨が折れる作業であるが故に無断転載が行われる訳ですが、この場合著作権の問題に加えて他人のものを丸写しした作品では学生の力を正確に測れない問題も発生するのです。

“独創“であることに価値がおかれる場面での盗用

また他にも問題となる事例はあります。東京オリンピックのエンブレムとして日本のデザイナーが作成したデザインが、海外の作品の盗用とされた件は記憶に新しいのではないでしょうか。勿論このケースでは“疑惑”であり当人は否定してはいますが、この様な違反行為をしたことで日本が国際的に恥をかいたことに違いはありません。

盗用した場合どんな責任が生じる?

盗用行為をする人間に対しては“情けない”あるいは“せこい”等の感情を持つでしょう。しかし問題はそれにとどまらず、法的措置を取られることがあります。

盗用をした場合の法的責任は

著作権法違反に該当する行為を行った場合には民事と刑事の両方で罪に問われる可能性があります。皆やっているから、と決して軽視できないのがこの盗用行為なのです。

民事上で損害賠償や差し止め請求がされる

民法には不法行為における権利侵害についての定めが明記されており無断転載があった場合、権利者は侵害者に対して民事上で様々な措置を取ることができます。無断で使用した著作物の「差し止め請求」がその一つです。また損害賠償や名誉回復措置の請求をすることも可能です

賠償金の額は

では損害賠償の額はどの程度なのでしょうか。著作権というのは形がないだけに証明が難しく侵害行為の損害賠償金の算定は難しいものがあるのです。そこで、著作権法では侵害の場合の損害について推定の規定を置いています。例えば侵害者が当該著作物から利益を得ている場合には侵害者が得た利益額分をそのまま損害賠償金として請求することができると定められています(著作権法114条2項)。加えて著作権のライセンス料を損害として請求できる規定もあります(同3項)。

盗用の場合、刑事罰もありえる

更に著作権法では侵害者に対して罰則が定められています。現在のところ侵害行為の多くは親告罪ですが、非親告罪にする動きが高まっており、一部は非親告罪になっています。

懲役や罰金が科されるが現在は“親告罪”

刑事罰として権利侵害者には10年以下の懲役と1000万円以下の罰金のいずれか、またはその双方を科すという罰則が設けられています(著作権法119条1項)。また法人の場合には3億円以下の罰金刑が科せられることになっています(同法124条)。しかし、例えばアニメの絵を描いてアップロードした場合等は、「宣伝」にもなるため、著作権侵害行為が著作権者に及ぼす影響は損害ばかりではありません。それゆえ著作権者の意に反して取り締まる必要はないとされ、著作権侵害は現行の法律では告訴が無ければ起訴できない“親告罪”になっているのです。

将来非親告罪になる可能性もあるが弊害も予想される

しかし現在TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)で非親告罪化が検討されており実現する日が来る可能性もあります。ところがそうなると別の問題が生じます。一昨年アメリカでとある音楽家に9億円の賠償が命じられた事例があったのですが、こともあろうか、判決理由は彼が発表した楽曲が某大御所歌手の既存の楽曲に“雰囲気が似ている”ことだったのです。この様な判決が存在する中で非親告罪化が現実のものとなれば、悪意をもった人間が権利者を貶めることもできてしまうのです。

無断使用しても違反にならない“引用”とは

著作権法では公開された他人の著作物を無断で使用できる場合についての規定もあります。その一つが“引用”です。引用として認められる為にはいくつかの条件があり、そこから漏れた場合は“転載”となり法律違反です。ここでは引用のルールやポイントを解説します。

引用のルール

著作権法では許諾なくして他人の著作物の利用を認める“引用”についての規定があります。但し引用となるにはルールがあります。

“他者の著作物”であることに配慮する為の決まり

引用として認められるには引用箇所と著作物を引用する“利用者”側のブログ等の著作物とを、それと分かる様に明確に区分しなければなりません。これを「明瞭区別性」と呼びます。例えば引用箇所の前後に「“”」を付けたり、引用部分を罫線で囲んだりといった具合です。また著作者には「同一性保持権」と言って著作物を無断で改変されない権利があるので、引用した場合その内容を一切変更してはいけません。また出典元のURLやタイトル、書籍名等も明記する必要があります。

引用元との関係にまつわる決まり等

更に『引用との主従関係』にも気を付けねばなりません。当然のことですが、オリジナルのコンテンツが「主」で引用部分が「従」でなくてはならず、引用はあくまでもコンテンツを分かり易くする、あるいは補完する為に行うことが前提となる訳です。この際引用として認められるかは質と量の両面で判断されます。加えて例えば引用することでブログの趣が深まる、あるいは説明の助けとなると言った「必要性」も引用として認められるための条件の一つです。

引用の際のポイント

大前提としてこれらの要件を満たさないことには引用にはなりません。しかし場合によっては要件に足りている場合でも問題が発生することがあるのです。ここでは引用の際のポイントを解説します。

ブログでは「引用タグ」を使おう

ブログ等では引用の仕方に特に気を配らなければなりません。例えば引用部分の目印として「“”」を付けたり、字体を変更する等の区分方法でも法律上は明瞭区分性を満たす為問題ありませんが、インターネット上では検索エンジンの自動検知システムによって「盗用」とみなされ検索順位が下げられたりすることもあるのです。そのためWebサイトでは引用箇所に印がつく「blockquote」タグを使用するのが良策と言えます。

盗用にまつわるトラブルを防ぐ為には?

インターネットの普及に伴い引用や盗用等、著作権の問題は深刻化してきました。そしてこの問題はそう簡単には解決しないでしょう。では著作権にまつわるトラブルに対処する為にはどうすればよいのでしょうか。

被害を受けない様にするには

被害を防ぐ為の手段の一つがwebサイトを作る際HTMLやCSS、Javascript等の「マークアップ言語」を駆使し、あらかじめコンテンツをコピーしにくい設定にしておく方法です。

コピーが簡単にはできない為一定の効果はある

インターネット上で盗用が横行している大きな理由の一つが、マウスを数回クリックするだけで「コピー&ペースト」ができる即ち手軽に他人の著作物を転載できることです。従ってマークアップ言語を駆使して右クリックができない設定にしておくことが有効です。

しかし同時にサイトとしての価値も下がる

しかしその様な設定にすると弊害も出ます。例えば右クリックができないとなるとサイトを「お気に入り」等ブックマークに登録できなかったり、文字化けを解除できない事態が発生します。そしてこのことがサイトの人気を下げてしまうことにもなり兼ねないのです。この辺りのパラドックスが“コピペ対策”の難しいところと言えます。

被害にあった場合の対処法

現在インターネット常に出回っている「まとめサイト」や「バイラルメディア」は誤った知識で著作物を“引用”として転載し、法律上は盗用に該当するケースが多いと言えます。しかし著作権法上の引用の要件もまだまだ不確実なところがあるのが現状なので、被害にあった場合は著作権に強い専門家に相談するのが賢明でしょう。

素人判断はできないケースが多いので弁護士に相談しよう

最近の判例では前述した引用の要件に加えて「利用者側の利用の目的」や「その方法や様態、利用される著作物の種類や性質」、「当該著作物の著作権者に及ぼす影響の有無・程度」等を総合して考慮する必要があることが判示されています。引用に当たるか否かを素人が判断することは難しいので、自分で判断せず弁護士などの第三者の意見を聞くことをお勧めします。
引用は適法ですが盗用は違法です。しかしその定義付けはまだまだ不明確なところが多くWebサイト等で他人の記事を使うときには著作権法の知識に加えて、他人のことを慮る(おもんばかる)姿勢やマナーも大切と言えるでしょう。

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