ドメイン・サブドメイン・サーバーの基礎知識
企業だけがホームページを持っているのは一昔前の話で、今や一般の人でもサイトの作成が可能になりました。しかしいざ作るとなると予備知識が必要です。そこで今回はWebサイト作るときに欠かせないドメイン・サブドメイン・サーバーの基礎知識について順番に解説していきます。
ドメインとサーバーの関係とは?
サイトを作るにはあらかじめ「ドメイン」や「サーバー」の知識が必要です。しかし聞いたことはあるけれど詳しくは知らない人も多いのではないでしょうか。そこでまずは、ドメインとサーバーの役割及びその関係性を解説していきます。
ドメインとは「インターネット上の住所」の様なもの
“インターネット上の住所”とよく例えられるドメインですが、正確には、ネットワーク上の複数のコンピューターを管理するためのグループや組織を指す言葉です。重複する住所がないのと同じ様にドメインも固有のものであり、二つとして同じものは存在しません。
ドメインの役割って?
ドメインはホームページやメールアドレスに使われます。例えばWebサイトの場合は「インターネットアドレス」と呼ばれるURLがドメインに該当するわけですが、仮にURLが「http://www.domeintoha.com」であった場合「domeintoha.com」の部分がドメイン名を表していて「.com」をトップレベルドメイン、「domeintoha.」をセカンドレベルドメインと呼びます。メールアドレスでは『@』より後ろの部分がドメイン名になります。
ドメインを利用するには?
ドメインを利用するにはそのドメイン名が誰のものなのか、管理会社はどこか等の情報を登録機関に登録しなければなりません。具体的には「レジストラ」と呼ばれる仲介業者に申請して地域インターネットレジストリに登録してもらう形になります。かつてレジストラが存在しなかった時代にはユーザーが直接レジストリに登録していましたが、レジストラが出現したことによって誰でも登録できるようになりました。
レジストラはドメインの登録者や管理担当者から申請されるドメインの登録情報をレジストリに伝達し修正や更新を逐一行ったり、逆にレジストリからの情報をドメインの登録者や管理担当者に伝えたりすることで、ユーザーがインターネットを快適に使用できる環境を作っているのです。
サーバーって何?
パソコンの仕組みやホームページの作り方について調べると“サーバー”と言う言葉をよく見かけます。難しく感じる人もいるかもしれませんが、実際のところ普段使っているパソコンとは何が違うのでしょうか。
サーバーは“情報の格納庫”
サーバー(server)とはインターネット上で他のコンピューターに様々な機能やデータを提供するコンピューターです。ドメインがインターネット上の住所なら、サーバーはそこに建つ建物といったところでしょう。サイトを作ると言ってもただ作っただけでは誰にも見てもらえません。サーバーに情報をアップして初めてwebサイトや電子メールを利用できる様になるのです。
また情報の置き場所として「ハード」の機能を果たすサーバーの他に、メールサーバーやwebサーバーといった「ソフト」の役割を担うものもサーバーの名で呼び、このことがサーバーの理解を困難にしていると言えます。
サーバーの種類
サーバーは自分で購入することもできますが、レンタルするのが一般的です。一口にサーバーと言っても種類があり、特徴が異なります。例えば複数のユーザーがひとつのサーバーを使う「共有サーバー」は他のサーバーに比べて安価で利用できますが、通信状態が不安定等のデメリットもあります。「専用サーバー」はユーザーが丸まる一台のサーバーを占有するサービスで高度な知識を要するものの、安定した運用や任意性の高いサイト作りが可能です。また「クラウドサーバー」はインターネット上の仮想サーバーサービスであり、物理的に存在するサーバーではない為、申し込みから導入まで時間がかかりません。急遽サーバーが必要になった際には便利でしょう。しかし安定性等パフォーマンス面では他の物理サーバーに劣ります。他にも一台の物理サーバー上で仮想的に複数のサーバーを構築する「VPS」サーバーシステムがあり、専用サーバーの様な高いスペックを安価で利用できますが、非常に高度な知識が必要になります。
ドメインについて詳しく知っておこう
ドメインにも種類があり、それぞれに異なる特徴を持っています。そして質の高いサイトをつくるにはそれを把握しておくことが重要なのです。詳しく解説していきます。
独自ドメインと無料ドメイン
ドメインには大きく分けて費用がかかる「独自ドメイン」と無料で使える「無料ドメイン」の2つがあります。ここではそれぞれのメリットやデメリット、使い道等の特徴を見ていきましょう。
それぞれの特徴は
無料ドメインでは使用料はかからないものの、ひとつのドメインを複数人で共有しなければなりません。一方独自ドメインではドメインの取得業者にお金を支払うことで、自分専用のオリジナルのアドレスを作ることができます。例えば「domeintoha.co.jp」のアドレスであれば「domeintoha」の部分を自分の好きな文字列に決めて使用できるのです。
メリットとデメリット
無料ドメインは費用をかけずに使用でき、サイトの運営や管理も自分で行う必要が無い上、設定やカスタマイズも簡単な為手軽にサイトを開設できることが一番のメリットでしょう。一方独自ドメインでは、設定に要する知識や費用がかかりますがサイトのデザインも好きな様にカスタマイズできます。無料ドメインでは、無料であるが故に会社の広告が入る上、独自ドメインで作成したものと比較してサイトのカスタマイズ性も低いです。更に無料ドメインサービスの会社を利用していると会社の一存でサイトが消されてしまうこともあるのです。勿論会社がサービスを終了した場合でもサイトは消え、二度と復活しません。そのため苦労して作成したサイトがある日突然無くなってしまう事態に陥る可能性も大いにあります。独自ドメインではそのような心配は要りません。
サブドメインとは
サブドメインとは簡単に言うとドメインを細分化したものです。完成度の高いサイトを作成するにはサブドメインについて詳細に理解しておくことが重要です。
サブドメインの役割
サブドメインは“ドメイン名”のすぐ下の階層のことを指します。仮にURLが「http//:www.domeintoha.co.jp」のサイトがあった場合、「www」の部分がサブドメインに当たります。サブドメインをabcに設定すれば「abc.domeintoha.co.jp」と「www.domeintoha.co.jp」の両方のURLからアクセスできる様になるのです。
サブドメインは独自ドメインと“レンタルサーバー”を契約することで作成できます。またサーバーごとに規則がありますが、数に制限は無く文字列も任意に設定できます。更に独自ドメインを取得しレンタルサーバーに設定すると、その独自ドメインのサブドメインも利用できるようになるのです。つまり、サブドメインを設定することで新しいURLができる訳です。お金をかけずに複数のサイトを作れる点はサブドメインを設定する大きなメリットと言えます。
サブドメインの設定でサイトに深みが出る
サブドメインの最も一般的な使い道の一つがwebコンテンツを整理したり明確に区別できるセクションに分けることです。例えば特定のテーマで多量のコンテンツが集まった場合や注目を集めたいコンテンツがサイトにある場合、サブドメインを作成することでメインのサイトから切り離すことができるのです。
そうすることでメインのサイトの負荷を減らしたり特定のコンテンツで構成されたサイトを作成することが可能になります。例えば宿泊ホテルの情報サイトの場合メインのサイトにホテルの概要を掲載しサブのサイトに詳細情報を載せられる等、サイトの使い勝手も向上する利点があるのです。
サイト作成のポイント
ドメイン・サブドメイン・サーバーについては分かったと思います。早速サイトの作成にかかりたいところですが、思い通りのサイトにする為のコツや注意すべきポイントがいくつかあります。
作り始める前の注意点
ドメインやサーバーの選び方等サイトを作り始める前に知っておくべきポイントがあります。それを知っているか否かが後の完成度等様々なことに影響してくるのです。具体的に見ていきましょう。
サーバーを選ぶ時のポイント
サーバーを選ぶときは自分の希望するサイトや運営を具体的にイメージしてから選定することが重要です。レンタルサーバーにはサブドメイン型と独自ドメイン型があります。サブドメイン型は格安ですが任意性が低くサイトが消滅する可能性もあり、初心者や試験的に使用する人に向いています。一方独自ドメイン型はレンタル料に加えてドメイン維持費もかかりますが、オリジナルのサイトが作れる為、本格的に作りたい人や商売で使う場合に適していると言えます。
独自ドメインを使うのがおススメ!
独自ドメインで作った覚え易いURLでサイト運営することはアクセス数等に大きく影響します。また最初は軽い気持ちで無料ドメインを使用したものの後に独自ドメインに切り替え本格的に作成したくなることもあるでしょう。そうなったとき無料ドメインの場合URLの変更を余儀なくされ、サイトを作り直すことになるのです。独自ドメインは費用がかかるといっても年間1000円以下で利用可能な会社もあるので、初めから独自ドメインを利用するのがオススメと言えます。
知っておくべきポイント
ホームページやブログ等のサイトを作成するときには、何も考えないでもただ作るのではなく、テクニックやコツ等の知識を持っておくことが大切です。ここではそんなテクニックやコツを紹介します。
ドメイン名のつけ方
独自ドメインを取得すればドメイン名を自由に決められますが、サイト名やコンテンツのテーマをそのままローマ字に変換してドメイン名にするのがおススメです。そうすることでURLを見ただけで大まかなサイトの内容を判断することができ、ユーザーにとっても分かり易く、サイトをたくさん作った場合に後から自分でも整理し易いのです。また有料のサーバーと契約して作られたサイトであることの証明にもなり、信用性も高まります。
トップレベルドメイン(TLD)について
トップレベルドメインは一般の人が取得できる「gTLD」とその国に住んでいないと取得できない「ccTLD」に分けることができます。gTLDでは.com、.net、.org、.info、.biz等がありccTLDには、.jp、.co.jp、.ne.jp等があります。この内.co.jpやne.jpは企業しか取得できず、他は個人でも取得可能です。企業がトップレベルドメインを選ぶ際には覚えて置くとよいでしょう。
自分でサイトを作る際には、前もって今回紹介した用語や周辺知識を理解しておくことが重要です。また後で後悔しない為にも多少の出費は惜しまず独自ドメインと有料サーバーを利用するのが賢い選択と言えます。