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ネットの炎上

  • 2017年03月28日 | 5,695view

ネット炎上で懲戒解雇になる?海外事例にはどんなものがあるの?

懲戒解雇

気軽につぶやけるTwitterでは、不注意や悪ふざけで不適切な内容の投稿をして、炎上を招くケースがあります。たとえ個人が起こしたトラブルであっても、会社として知らぬ顔はできないご時世。問題があれば懲戒解雇になることもあります。海外での炎上事例から学び、取り返しのつかない事態を引き起こさないよう気を付けるようにしましょう。

インターネットで起こる炎上とは?

ネット上で誰でも気軽に発信できるSNSなどが急速な広まりを見せています。世界中のあらゆる人とコミュニケーションが取れるこのツールのおかげで、人々は便利や楽しさを得ました。しかし一方で、不用意、不適切な発言や写真の投稿などによるトラブルが発生しています。

SNSの普及で増えるネット問題

日本で代表的なSNSは「Twitter」や「Facebook」ですが、これらには、共有機能によって情報を拡散させるという特徴があります。リツイート、シェアといったボタン1つで簡単に他のユーザーと情報共有できる仕様になっているため、拡散するスピードがきわめてはやく、不適切な投稿があっという間に広がってしまう問題が増えています。

ネット炎上とは

一般的にネット炎上とは、不祥事などをきっかけに特定の対象が爆発的に注目を集め、非難や批判、誹謗中傷が殺到する状態をいいます。
世界中にユーザーがいる「Twitter」は、短文を文字通り感覚的に「つぶやく」ことができ、また写真もすぐに投稿できるため、深く考えずにツイートしてしまう人が多いのです。実際、炎上といわれる事例の多くはTwitterに端を発しています。

社会整備が追い付かない技術のスピード

炎上の原因となるのは悪意ある書き込みばかりではありません。不注意や誤解など本人が想定していなかった形でトラブルになってしまうこともあります。
これについては、ユーザー個人の責任ばかりとも言えない部分があるようにも考えられます。
ネットリテラシーについての考え方が社会全体で共有されず、SNSとの上手な付き合い方を学ぶ機会もないまま、流行に乗る形でSNSを利用。そんな流れの中では、先進化した技術を使いこなせず、取り返しのつかない事態を招くユーザーが出てきても無理はありません。

不注意や悪ふざけから起こる炎上

炎上は、非常識な若者が起こすイメージがあるかもしれませんが、そうとも限りません。どのような書き込みが炎上の火種になるのかをわかっていなければ、年齢や社会的地位などに関係なく、誰でも起こしてしまう可能性があるのです。

うっかり情報漏洩では済まされない


近年、SNS経由で「社外秘」情報を発信してしまい、情報漏洩になったというニュースをよく見かけるようになりました。
多くの人がプライベートでSNSのアカウントを持ち、簡単に発言しやすくなった現代社会において、このような行為をしてしまう本人に悪意はないことがほとんどです。しかし、機密情報の漏洩は、「わざとじゃなかった」「知らなかった」で済ませられることではありません。

バイトテロとは?

アルバイト従業員が、深夜の仕事場などで悪ふざけをした写真や動画をアップしたり、働いている店に芸能人が来たことをツイートしたりして炎上するトラブルも、多数ニュースになっています。
こうした行為は「バイトテロ」と呼ばれ、投稿をした本人だけでなく、雇い主である店も非難の対象となってしまいます。

個人だけでなく企業の責任に

多くの場合、炎上を起こすのはあくまで個人単位ですが、従業員が起こした場合、企業は「個人のこと」では済まされない風潮があります。

炎上が起きると、原因となった人物が誰か特定され、自宅や勤務先なども明らかにされてしまうこともあります。勤務先が明らかになるとその職場に一般消費者の立場で電話をかけ、炎上を起こした問題について直接企業としての見解や立場、対応などを問う人たちが出てきます。

このときのやり取りや企業としての回答を間違えると、企業までもが批判の対象になってしまうのです。たったひとつの顧客の声で、会社が丸ごと追い込まれる可能性もないとは言えません。

炎上は日本だけじゃない!海外で懲戒解雇につながった事例

ネット上の書き込みによって炎上が発生するのは日本に限ったことではありません。国内外に関係なく炎上と同様の事象が発生していて、それにより職を失うことになった人もいるのです。ここでは、ネットへの書き込みが原因で懲戒解雇になってしまった海外の例をいくつかご紹介します。

海外のバイトテロ的事例

上記で触れた日本の「バイトテロ」のような、従業員による悪ふざけや情報漏洩投稿も、日本だけの出来事ではないようです。海外でも同様の書き込みで炎上する事例が発生しています。

ナチョスに放尿事件

2012年7月、インディアナ州でメキシコ料理店のタコベルに勤めていた男性が、オーダーされたナチョスに自分のおしっこをかけている写真をツイッターに投稿し、騒ぎになりました。

この男性は、問題のナチョスは客に出していないし、ただのジョークだと主張しました。しかし結局、彼は解雇されました。

有名人が無銭飲食したことをツイート

2009年、ビバリーヒルズのカフェで、スープとレモネードを注文した有名女優が「車に財布を忘れた」と言って代金を支払わないまま店を出ていき、そのまま戻らないということが起きました。そのことを、担当のウェイターはツイッターで暴露したのです。

翌日、その女優のエージェントが料金を支払いに来ましたがチップがなく、ウェイターはそれをさらにツイートしました。書き込みは、店の上層部に見つけられ、このウェイターはクビになりました。

バイトの悪ふざけレベルじゃない

海外においても、炎上事件を起こすのは非常識な若者だけではありません。要職についている人が、「悪ふざけ」では済まない問題発言をして、炎上を引き起こしています。

ツイッターで機密情報漏えいが発覚

2013年10月、オバマ政権の国家安全保障高官ジョフィ・ジョゼフが、極めて重要な安全保障上の機密情報をもらしていたアカウントの黒幕であることを突き止められ、解雇されました。2011年2月につくられたこのアカウントでは、国の安全保障政策や政府職員を長年に渡ってけなされていました。

女性差別発言をして解雇

2012年11月、Twitterで、とあるアカウントの主が、「女を排除しろ。諦めが悪いのは、女の数多くの欠点のひとつだし、力も弱い」とつぶやき、さらに2013年3月に同じアカウントから、「おれは決して女に負けない。奴らがなにかたくらんでいても、軽くあしらってやる。メス犬は台所に閉じ込めて、パイを作らせときゃいいんだ!」とのツイートがされました。

また、2013年6月には別のアカウントで、「女の頭を殴りつけるのは、虐待か?それとも脳のリセット法か?」とのツイートも。これは、トロントのふたりの消防士による発言であることが発表され、2013年8月、ふたりは解雇されました。

一般人だけじゃない。有名人も炎上ツイートでクビに

Twitterは海外でも多くの有名人が使用しています。普段から多くの人に注目されていることがわかっているはずのこうした人も、不用意な発言で炎上騒ぎを起こしてしまう人がいるようです。

有名人、著名人による炎上ツイート

わざとなのか、不注意なのか、油断なのか、全く悪気はなかったのか。

アメリカの有名人たちがTwitterでの不適切な発言を理由に、職を失った事例をご紹介しましょう。

人気ドラマ「グリー」のエキストラがネタバレ

日本でも大人気のドラマ、「glee/グリー」。そのシーズン2に出演したエキストラ女優が、ファンたちがドラマの続きを楽しみにしている最中に、自身のTwitterで内容のネタバレツイートをしました。

このことを耳にした番組PDは激怒。ニコールのツイートに対し、「君はエンターテイメント以外の場所で才能を発揮させた方がよさそうだ。才能豊かなプロたちが何か月もかけて仕上げた作品を、どうしてそう簡単にダメにしてみせるのか」と、リツイートしました。

ニコールはすぐに降板になり、残っていた出演予定は全て契約解除となったようです。

メジャーリーガーが人種差別発言

2010年、割と有名だったメジャーリーグの投手が、故郷のダラスに本拠地を置く、全米プロバスケットチームのダラス・マーベリックスとテキサス州サンアントニオのサンアントニオ・スパーズの試合を観戦しながら、人種差別的ツイートをしてしまいました。

彼はマーベリックスのファンで、この日マーベリックスが負けたことに腹を立てたのか、勝利したサンアントニオ・スパーズに対し、「サンアントニオ市の薄汚いメキシコ人たち、おめでとう」(※サンアントニオ市には多数のヒスパニック系の人々が住んでいる、ヒスパニックの街)と、つぶやいたのです。

この後、メディアのインタビューで、彼はこの時のツイートが原因で球団を解雇されたと語っています。

笑えないジョークもある 

 
ユーモアにあふれるアメリカでは、ウィットに富んだジョークが言えることも一流の証のように思われていますが、とても笑えないジョークで世間を凍り付かせてしまう有名人たちもいます。

日本が悲しみに暮れている時期に・・・

2011年3月、日本は大地震と津波の災害に襲われました。このことは日本人でなくとも、決してジョークにならないことは、一目瞭然です。しかし、保険会社アフラックのアヒルの声優を担当していたコメディアンが、信じがたい内容のツイートを投稿しています。

「日本はすごいよな。わざわざビーチに泳ぎに行かなくても、ビーチ(※津波を示唆)からこっちに来てくれるのだから」
「たった今カノジョと別れたんだ。でもさ、日本人が言うように『今すぐにも別の津波がやってくる』。」

この件で、彼はアフラックのアヒルの声優担当から外されました。

人種差別的“ジョーク”をツイートした企業広報の役員

2013年12月、ニューヨークのインターネット会社インターアクティブの広報役員である女性が、ロンドンからケープタウンへのフライトに搭乗する前に、人種差別的な笑えないジョークをツイートしました。

「アフリカに行くの。エイズにならないかしら。おっと、ただのジョークよ。あたしは白人だしね」

本人は深い意味のないジョークのつもりだったようですが、この投稿に彼女の上司は何のユーモアも感じませんでした。会社は自社サイトから彼女の詳細を削除し、「問題の役員とは縁を切った」と宣言しました。

自分のスマホの中で、ついつい本当に独り言のような感覚でつぶやけてしまうTwitter。しかし、ひとたびそこに投稿し、誰かの目に触れれば、たとえ慌てて削除したとしても、一度発信した事実は消えません。

気軽に書き込んだ内容が誰かを傷付けることのないよう、そして、そのことにより自分自身が取り返しのつかないことにならないよう、充分に注意する必要があります。

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