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  • 2017年06月26日 | 2,917view

ネイティブ広告とは何か?その効果と課題とは?

ネイティブ広告

インターネットやスマートフォンの普及に伴い、多種多様な広告形態が見られるようになりました。近年注目され始めている “ネイティブ広告”もその一つです。定義は定まっておらずいくつかの種類に分類されますが、その存在には賛否両論があります。そこで今回はネイティブ広告について様々な角度から具体的に解説していきます。

ネイティブ広告ってなんだろう?

インターネットが普及して久しい昨今、ネットを利用した広告が溢れ、あらゆるWEBページに“バナー”が張られるようになりました。ブラウザを開く度に表示され中にはユーザーの不安を煽ってクリックさせようとする悪意のあるものも存在する広告を、非常に疎ましく感じる人も多いでしょう。そこで登場したのが「ネイティブ広告」なのです。

自然な形で広告するネイティブ広告

ネイティブ広告とはWEBサイトやブログ上に周囲の記事やコンテンツと同じ体裁で表示させるインターネット広告手法の概念です。

従来の「バナー広告」や「メール広告」では商品やサービスの宣伝であることが明確に判別できたため、消費者に敬遠される傾向がありました。つまり広告は“エイリアン(邪魔者)”だったのです。そこで一見して広告と分からない様なテイストで広告する手法が出てきた訳です。それが“ネイティブ広告”で、媒体に馴染むようなテイストで掲載しているため、消費者は抵抗なく“(ネイティブ)自然に”広告を読んでしまうのです。

ステマとは異なる

こういった手法は一目でそれと分かる広告と異なり、見方によっては消費者を欺いていると言え、広告と気付かれない様に宣伝する“ステルスマーケティング”に該当するとの声もあります。しかしながらネイティブ広告では広告の何処かに「PR」や「宣伝」「広告」等ユーザーが広告と認識できる表記をしなければならない決まりになっているため厳密にはステルスマーケティングには該当しません。

ネイティブ広告の種類

一口にネイティブ広告といっても種類があります。それぞれ異なる特徴を持ち、広告に適した商品やサービスも違います。ここではネイティブ広告の種類について広告を掲載する際のポイント等も併せて解説します。

ネイティブ広告の種類

ネイティブ広告が掲載されるメディアはいくつかありそれぞれに特性が異なります。宣伝したい商品のターゲット層に適した顧客流入ルートを持つメディアを選択することが重要です。

インフィード型

最もポピュラーなのがこのタイプでしょう。インフィード型はメディア内のコンテンツと同じテイストで掲載されているのが特徴です。YouTubeやTwitter、Facebook等のSNS系広告メニューがインフィード型に分類されます。記事コンテンツと同化しているのでユーザー違和感なく読める他、リンク先のコンテンツもしっかりした読み物として作られているケースが多いです。

ペイドサーチ(検索連動型)型

検索連動型とも呼ばれ、ユーザーが検索エンジンの検索窓に入力した語句と連動して広告が表示されるタイプのネイティブ広告です。誤認する人が多いですが、厳密にはペイドサーチ型即ちリスティング広告ではありません。ペイドサーチ型では検索結果の一覧ページ内に表示できるもののみを示しますが、リスティング広告は検索結果の一覧ページ外に表示する「ディスプレイ広告」も含みます。つまり、ペイドサーチ広告はリスティング広告の一つという位置付けになります。

レコメンドウィジェット型

レコメンド配信サービスを利用して行うのがレコメンドウィジェット型です。レコメンドは“推薦”、ウィジェトは“WEBサイト内の好きな場所に設置できるアプリケーションソフト”を指します。レコメンドウィジェット型ではWEBサイトの「レコメンド欄」に表示されることになりますが、レコメンド欄は通常ページ下の部分に設置されるため記事を読み終わったユーザーの目に留まり易いと言えます。 

プロモートリスティング型 

プロモートリスティング型ではサイト内の「PR」や「スポンサー」の枠に広告が表示されます。特徴は特定のメディア内に掲載されることです。例えば「食べログ」や「アマゾン」等のECサイトで検索結果画面の両サイドや上部に表示されます。

ネイティブ要素をもつインアド型(IBAスタンダード)

 
ディスプレイ広告の枠内にコンテンツ型の広告を表示する形で、コンテンツターゲティング配信と言えます。広告のテイストはサイトと異なるものの扱う内容は調和しているのがこのタイプなのです。例を挙げるとテレビゲームの話題を集めたサイトの中にゲームの攻略法や関連アプリ等のコンテンツ広告を配置する、といった具合です。

カスタム型

これらのどれにもあてはまらないのがカスタム型です。例えばSNSのLINEのスタンプがカスタム型に該当します。このタイプは直接的な購買を狙うのではなく、ブランドイメージを上げることでファンを増やし、その結果として多くのユーザーに興味を持ってもらうスタンスと言えるでしょう。また出稿額が高額なものも多いので、新商品や新サービスの告知等に利用されることがあります。

ネイティブ広告の評価軸

しかし、ネイティブ広告の形式さえとっていれば良いというものではありません。何らかの指標がないとやがて暴走してしまいます。そこでオンライン広告の標準規格の策定や動向調査、法整備などを行う業界団体「IAB」はネイティブ広告の評価軸を定めています。

ネイティブ広告の6つの評価軸

IBAはネイティブ広告の適切な運営が行われるために評価軸として、以下のように定めています。

  1. 周囲の記事との調和がとれているかについては「形式」「機能」「統合」の項目があり、それぞれ“ページのデザインとの調和性”“掲載媒体の他の要素と同様に機能するか、また同系統のコンテンツ体験をユーザーに提供するか”、“広告の挙動がどの程度周囲の記事とリンクしているか“を評価します。
  2. 広告のインターフェースやタイプ等については「バイイングとターゲティング」の項目が“特定のセッションやページ等広告の掲載面は選択可能か、ターゲティングのタイプはどうか等”を、「計測指標」が “ブランドの価値を高める目的の「ブランディング」と広告接触者から購買に繋がるレスポンスを得ることが目的の「ダイレクトレスポンス」のどちらであるか”を評価します。
  3. 加えて適正性に関しては「明示性」の項目が“消費者に対し広告の明示性が明確であるか”を評価することになっています。

しかしまだまだネイティブ広告の定義は曖昧な部分があり、問題視されがちなのが現状です。

ネイティブ広告は高い効果を発揮する

そんなネイティブ広告ですが、従来のバナー広告と比較して効果が顕著に表れるため近年利用する企業が増えているのです。ここではその経緯や原因を紐解いていきます。

ネイティブ広告の効果は高い

ネイティブ広告の費用対効果は非常に高く、現在は多くの企業が取り入れています。その背景にはネットユーザーが従来の広告に興味を示さなくなったこと等があります。

バナー広告の1.5倍閲覧される

近年ネイティブ広告は非常に広まっています。例えばアメリカではネイティブ広告を取り入れているメディアは75%、導入を検討しているメディアも含めると90%にまで上ると言います。またネイティブ広告のクリック率はバナー広告の1,5倍との調査結果もあります。

バナー広告を“スルー”するユーザーが増えてきた

この事態の背景としてネットユーザーがバナー広告に飽きた、或いは嫌気がさしたことが挙げられるでしょう。ネットユーザーの70%以上が従来の広告よりもコンテンツから商品情報を得たい意見を持っているとのデータもでており、ユーザーは従来の広告よりもコンテンツについて高い関心を示すことを表しています。つまりバナー広告に興味を持つユーザーは少なくなっているのです。

何故ネイティブ広告は効果が高いのか

では何故ネイティブ広告はここまでの効果があるのでしょうか。その理由はどうやら広告形態は元より消費者心理とも密接な関係がある様です。

閲覧者に“シェア”され易い

ネイティブ広告の効果が高い理由の一つに、閲覧者が広告に親しみやすいことが挙げられます。特に周囲の記事と調和した文体で広告文が掲載されるインフィード型では文調もサイトのユーザー層に合ったものが使用されるため、親しみを持ちやすいのです。更にネイティブ広告はSNS等のメディアに掲載されることが多いため、「シェア」され易いことも高い効果を発揮する理由に挙げられるでしょう。

ユーザーの興味を掻き立てる

またネイティブ広告はコンテンツありきなので、ユーザーもコンテンツを読むことで商品への関心を持ち、購買意欲を掻き立てられるのです。これは商品やサービスに興味がなかったユーザーもコンテンツの存在によって購買行動に移る可能性があることを意味します。

商品を深く掘り下げて広告できる

更に通常の広告では商品の説明があまりに長いとユーザーは不快感を持ちページから離れてしまいがちなところ、当該ページの記事の一部の如く表示されるネイティブ広告はストレスフリーに閲覧できるため、商品の特徴やメリット等も詳細に解説可能なのです。

ネイティブ広告の課題

この様に販売会社側からすればネイティブ広告にはメリットがあると言えます。しかし消費者にとってはメリットばかりではなく問題もあるのもまた事実です。

ユーザーが不快感を持つケースも少なくない

ネイティブ広告では消費者が不快な気持ちになるケースも少なくありません。ここではそのうちのいくつかを紹介します。

騙された気分になるケース

例えばインターネットで興味のある記事を見つけ、読み進めて行く内に広告であると分かった場合「騙された」との気分になります。これはテレビ番組でためになると思って視聴していたら実は健康食品のCMだったケースと非常に似ています。

システムそのものを不愉快に感じるケースも

またスマートフォンのアプリが広告のミスクリックを誘導していると感じた場合、約2割のユーザーがアプリを削除しているとの調査結果も出ています。加えて45%のユーザーはターゲティング広告で「企業の印象が悪くなる」と回答しているのです。

ネイティブ広告のあるべき姿は

この様にネイティブ広告に対してストレスを感じるユーザーが多いのが実際です。しかしこの問題点をクリアーしないことには“ネイティブ”である意義は無いに等しいと言っても過言ではありません。

ユーザーの期待を裏切らないこと

ネイティブ広告を掲載する時にはリンク先の内容もおろそかにしないことが重要です。いくら広告記事が立派に作成されていてもリンク先のコンテンツの質が低いとユーザーは不愉快に感じるのです。広告記事によって興味が湧いた、或いは深まった商品についての詳細な情報を期待しているユーザーがリンク先で質の低いページを見せられたらかえって“熱”は醒め逆効果になると言えます。

高い質のコンテンツ質を紹介する

しかし良いコンテンツのネイティブ広告を掲載することを心がければ、最終的に広告であることが分かったとしても内容自体に価値があるため、さほど嫌な気はしないものです。
ネイティブ広告とは広告を周囲の記事と同化させて掲載をすることで、閲覧者のストレスを低減し購買行動を促進することを狙ったインターネット広告の概念です。コンテンツありきの手法であるため商品の認知や理解に大きく貢献し、バナー広告よりも高い効果を示しますが、その一方で問題もあるのも確かです。

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