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2ちゃんねる(2ch)風評被害

  • 2016年09月28日 | 6,941view

2ch(2ちゃんねる)のネット歴史まとめ

2chの歴史

2ちゃんねるは今や知らない人はいないほどの有名な掲示板になり、ユーザーが増えるにつれて誹謗中傷や風評被害、犯罪予告などの書き込みも増えました。

しかし、近年ではこれが問題視されるようになり、司法側でも問題投稿をした者について検挙・起訴するようになりました。2 ちゃんねる側も、削除要請に対応するようになっています。

巨大匿名掲示板「2ちゃんねる」の誕生

今やその存在を知らない人はいないというほど有名になったウェブ掲示板「2ちゃんねる」(以下「2ch」)。誕生してから現在までどんな経緯をたどり、その歴史の中でどんな問題があったのでしょうか。

最初は個人サイトだった2ch

2chは管理人西村氏の個人サイトとして開設されたもの

有名ウェブ掲示板「2ch」は、1999年5月に西村博之氏により開設された掲示板です。意外にも、最初は西村氏の個人サイトとしてスタートしました。最初はチャット機能もありましたが、のちにスレッド形式の掲示板だけになります。だれでも匿名で自由に発言ができることで人気の電子掲示板として成長していきました。

インターネットに発言の場を求める人が多くいた

1999年、東芝による消費者からのクレーム対応に端を発する「東芝クレーム事件」が起きました。これは東芝製品の購入者が購入直後に製品の点検・修理を依頼したところ、あちこちの部署をたらい回しにされたあげく複数の担当者から暴言を吐かれたとして、東芝の対応が問題となった事件です。

この事件をきっかけに、ネット上で発言の場を求める人2chに集まるようになり、一般人でもインターネットで世論を巻き起こせることが証明されました。

かつては匿名掲示板のよさがあった

今とは趣が違って、かつての2chには特定の業界の人しか知り得ないような業界の裏側の話や、ある会社の裏事情や愚痴など、本名では語ることのできない話題が多く掲載されていました。2chは、普段なかなか知ることのできない情報を手に入れることができる貴重な場だったのです。専門家が多く集うスレッドでは、現在でもまだその傾向は続いています。

ユーザー数の爆発的増加による問題の顕在化

そのような有益な情報の宝庫だった2chですが、ある大事件をきっかけに世間の注目を集めるようになります。それまであまり重視されなかった問題が、2ch が大きくなるにつれ徐々に看過できない事態に発展していきました。

メディア報道によりユーザー数が爆発的に増加

2000年になり、重大事件をきっかけに2chがさかんにメディアに注目されるようになり、ユーザー数が急増しました。その事件が2chに与えた影響とは何だったのでしょうか。

バスジャック犯人が2chで犯行予告していた

2000年5月3日、佐賀県から福岡県に向かっていた高速バスがハイジャックされた「西鉄バスジャック事件」が起きました。この事件の犯人の17歳の少年が事前に2chへ犯行予告を書き込んでいたとして、2chがメディアの注目を一斉に浴びるようになります。それに伴い、2chのユーザー数も爆発的に増加しました。

誹謗中傷・風評被害問題の顕在化

ユーザーがまだ少なかった頃は匿名であることのメリットが大きかったのですが、次第にデメリットのほうが徐々に存在感を増すようになります。悪質な根も葉もないデマや特定の人物に対する誹謗中傷や風評被害が顕在化し、看過できなくなっていきました。

まとめサイトの誕生・乱立も後押し

特定のテーマに沿ってスレッドをまとめる「まとめサイト」の乱立も、問題を顕在化させた要因のひとつです。まとめサイトの管理人は閲覧数を増やすことで報酬を得ており、わざと過激なタイトルで煽ってユーザーの注目を集め、それを閲覧したユーザーがSNSなどで拡散…と2chの問題は次第に深刻さを増していきました。

2ちゃんねるの分裂とその弊害

誹謗中傷や風評被害、犯罪予告などの投稿が増える中、突然2chが2つに分裂する事態に陥ります。大人気の電子掲示板2chに一体何が起こったのでしょうか。

「2ch.net」の管理体制が変わった

2014年2月19日未明、いきなり2chのサーバがダウンします。サーバはほどなく復活しましたが、2ch(2ch.net)のサーバ運営会社N.T.Technologyによって当時の「2ch.net」の運営が解任され、管理者が変更になりました。現在は、フィリピンを拠点に代表のジム・ワトキンス氏が2chの管理運営を行っています(通称「Jim体制」)。

西村氏は新たな2ちゃんねる「2ch.sc」を開設

西村氏はその後同年4月に新たなウェブ掲示板「2ch.sc」を開設しました。こちらは、基本的には「2ch.net」の内容をコピーしたものですが、「2ch.sc」のみにかかれている内容もあり、この両者は完全に同じものではありません。したがって、投稿の削除を要請する場合は、この2つのサイトに削除要請を出さなくてはならなくなりました。

司法もようやく動き出す

2chで誹謗中傷や風評被害、犯罪予告を内容とする書き込みが相次ぎ、社会問題となる中で、司法もようやく動き出しました。2ch側も、誹謗中傷などの書き込みの削除要請に応じるようにもなってきています。

司法も重い腰をあげた

問題投稿をする者に対し積極的に検挙・訴訟

企業や個人を名指しで誹謗中傷したり名誉を毀損する書き込みや犯罪予告に関する書き込みに対し、管理人の西村氏や投稿者、ブロバイダーが起訴される事件が相次ぎました。2000年から2016年にかけて多数の投稿者が検挙され、刑事事件・民事事件として処理されています。

2ch側も削除要請に応じるように

2ch側も、客観的に見て誹謗中傷や名誉毀損と認められる案件に関しては、削除に応じています。2ch内のルールでは「裁判所から削除を命じられたものについては削除する」とされているため、弁護士を立てて手続きを行い、裁判所から仮処分決定を得られたものはより早く削除対応してもらえるようです。

2chが関係する犯罪歴の数々

「西鉄バスジャック事件」以来、2chには数々の問題投稿がされてきました。具体的にどのような法律に違反し、どのような犯罪が成立してきたのかについて見ていきましょう。

2chではどんな犯罪が起きてきたか

誹謗中傷・風評被害につながる投稿だけでなく、2chを使っての爆破予告・殺人予告、動物虐待写真のアップ、麻薬や覚せい剤の販売などが行われてきました。また、週刊誌の記事が発売前に無断掲載されたケースもあります。

具体的にどのような法律に違反しているのか

刑法をはじめ、動物愛護法、人質強要処罰法、不正アクセス禁止法、麻薬特例法、覚せい剤取締法、軽犯罪法、著作権法違反、ストーカー規制法、ポルノ禁止法など、さまざまな法律違反が成立しています。

2chをめぐる裁判例を見てみよう

では、具体的に2chをめぐって過去にどのような裁判があったのかについて、いくつかかいつまんで見ていきましょう。判例には、2chやその管理人自身が訴えられたケースと、投稿者が訴えられたケースの2通りあります。

2ch及びその管理人が訴えられたケース

・ある動物病院が、2chの書き込みにより名誉を傷つけられたとして、管理人の西村氏に損害賠償を請求。東京地裁は西村氏の責任とした上で、書き込みの削除と400万円の賠償を命じる判決を下しました。2005年10月、最高裁が上告を棄却して判決が確定しています。

・女子スポーツ選手が2ch上で名誉毀損に当たる書き込みがされていると訴え、管理人に100万円の損害賠償などを求めました。2006年10月、原告が全面勝訴して終わっています。

投稿者が逮捕・書類送検されたケース

・元従業員が「ちくり裏事情板」に「不当解雇」のスレッドを立て、解雇された会社を誹謗中傷する書き込みを行ったとして、その会社が賠償請求の訴えを起こします。 2002年9月、裁判所は会社側の請求を認め、スレッドを立てた元従業員に対して会社に100万円の支払いを命じる判決を言い渡しました。

・2010年7月に行われた参院選で、「たちあがれ日本」から比例代表候補として立候補し落選した大学教授を2chで、計33回にわたって誹謗中傷する書き込みが発生。警視庁小岩署は、名誉毀損の疑いで大学4年生を逮捕しました。

参照元:「2ch(2ちゃんねる)関連の裁判一覧

2chの歴史は意外と長く、その間に誹謗中傷・風評被害の書き込みをめぐって司法と2chや投稿者との攻防が繰り広げられてきました。2chは2つに分裂してしまったため、いったん書き込まれたものを削除するには2つの管理会社とやりとりをしなければなりません。手間暇はかかりますが、自分や会社の名誉を守るためには、迅速な削除要請が必要となるでしょう。

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