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2ちゃんねる(2ch)風評被害

  • 2017年07月31日 | 51view

2ch、および管理人に対する訴訟のまとめ

法廷

言わずと知れた日本最大級の匿名掲示板サイト「2ch」。幅広い話題について様々な意見が投稿されますが、批判や誹謗中傷等、ネガティブな書き込みは数あるインターネット上の掲示板サイトの中でも特に多い傾向にあり訴訟沙汰になることもしばしば。そこで今回は、“2ch、および管理人に対する訴訟”についてまとめていきます。

2ch、および管理人に対する訴訟

インターネット上に存在する様々な掲示板サイトの中でも特に誹謗中傷が多く、また書き込み内容も過激な傾向にあるのが2chです。その性質がゆえに訴訟沙汰になることも少なくありません。

名誉毀損訴訟が特に多い

不特定多数のユーザーが、一斉に個人攻撃をする“祭り”が常態化している2ch。この様な状況下で発生する訴訟案件の内、最も多いもののひとつが「名誉棄損」にまつわるものです。そこでまずは名誉毀損罪について触れておきます。

名誉毀損には刑事と民事がある

名誉毀損罪も民事と刑事とに分かれます。民事上の問題では民法第710条、723条等で差し止めや損害賠償といった責任について規定されていて、刑事では刑法230条に「公然と事実を摘示し、人の名誉を毀損した者は、その事実の有無にかかわらず、3年以下の懲役若しくは禁錮又は50万円以下の罰金に処する」と規定されています。また名誉毀損罪は親告罪であるため、告訴がなければ裁判を起こすことはできません。

2ch管理人に対する名誉毀損訴訟

2chを名誉毀損訴訟で多いものの一つが、言われなき誹謗中傷等を受けた著名人が辛抱しきれず告訴するケースです。

スポーツ選手名誉棄損事件

2006年10月、2日本最大級の匿名掲示板サイト2ch上に書き込まれた侮辱的表現に対し、被害者のプロゴルファー選手が名誉毀損にあたるとしてサイト管理人に100万円の損害賠償等を求める民事訴訟を起こした事例があります。問題とされたのは、選手の異性関係にまつわる事実無根の書き込みで、削除依頼に応じない管理人を相手取って提訴したのです。

原告の全面勝訴

2006年10月25日に下された判決は、原告の全面勝訴。東京地裁は、名誉毀損を全面的に認め、損害賠償100万円と書き込みの削除、発信者の情報開示を被告に言い渡しました。また原告は数年前から「美人プロゴルファー」等として世間の注目を集めており人気の著名人で、当ケースは有名人でも泣き寝入りすることなく立ち向かったとして、当時大きな反響を呼びました。

2chにおける数々の名誉毀損訴訟

不特定多数の人が、悪意を持って投稿することも少なくない2chにおける名誉毀損訴訟はまだまだあります。

動物病院名誉毀損裁判

東京都内の動物病院が、掲示板の書き込み内容により名誉を傷つけられたとして、削除依頼をするも応じない管理人に対して損害賠償等を求めた裁判です。この裁判は2ch史上初めて最高裁までもつれ込んだ事例として有名な事例です。

個人名を挙げ誹謗中傷

2001年1月頃、2ch「ペット大好き掲示板」内のスレッド「悪徳動物病院告発スレッド!!」に東京都内にある動物病院の実名を挙げて、「あのバカ医者、精神病院に通っている(マジ)から」「 めちゃめちゃ情緒不安定なんだよね。」「なんでもかんでも手術を勧めるが70パーセントは死んでいるらしいよ。」「これ本当の話だからね、他にもこの病院の情報求む!」等と誹謗中傷する書き込みがされます。更にこれに煽られた別ユーザーによって、当該動物病院の獣医に対する「死ね」等の書き込みもされたのです。

サイトに削除依頼するも退けられる

これに気付いた動物病院の経営者と獣医は当該書き込みの削除をサイト側に求めました。一般的にネット上の掲示板ではこの様な場合、管理者への問い合わせ専用フォームから依頼することになるのですが、2chのシステムは複雑で削除依頼の手続きは難航しました。苦労しながら手続きを進めるも、最終的には不備を理由に依頼を却下されてしまいます。

2ch史上初めて最高裁までもつれ込んだ事例

そこで動物病院の経営者と獣医が原告となり、当該書き込みの削除と損害賠償500万を求めて、管理人の提訴に乗り出しました。その主張は投稿主の名誉棄損行為について争うものではなく、当該書き込みがなされるに至らしめた、サイトのその管理体制に違法性を求めるものでした。2002年6月26日東京地裁は原告の請求をおおむね認め、管理人に対して賠償金400万円等の支払い、及び書き込みの一部削除を命じますが、サイトの管理人である西村氏はこれを不服として控訴します。

同年12月25日、東京高裁での控訴審判決は第一審を支持。これに対し西村氏が上告すると、2005年に2ch裁判史上初の最高裁判決へと持ち込まれたのです。最終的には2005年10月7日に判決が下り、最高裁は2chに当該書き込みの削除と計400万円の損害賠償金の支払いを命じました。

最高裁がKDDIに「発信者情報」の開示命令

この事例は2chに誹謗中傷を書き込まれた人物が名誉を汚されたとしてインターネットプロバイダーのKDDIに発信者情報の開示を請求したものの応じなかったため、KDDに発信者情報の開示と賠償請求を求める裁判を起こしたものです。

情報開示に応じなかったプロバイダーを提訴

2006年9月~2chに原告学園長に関するスレッド「A学園Part2」が立てられ、翌年1月16日に「なにこのまともなスレ気違いはどうみてもA学園長」との書き込み等、誹謗中傷が投稿されます。この書き込みはKDDI 提供のサービスを経由して書き込まれており、学園長は当該書き込みの発信主情報の開示をKDDI に要求するも拒否され、訴訟に至ったのです。

発信者情報の開示命令は下されるも損害賠償は認められず

2008年の第一審では原告の訴えを棄却、続く第二審では書き込み内容は権利侵害に当たるとして、KDDI に発信者情報開示と損害賠償15万円の支払いを命じました。KDDI はこれを不服として控訴、最高裁にもつれ込みます。そして2010年4月13日「プロバイダーが賠償責任を負うのは、書き込みによって権利が侵害されたことと情報を開示する必要性が明らかな場合に限る」としてプロバイダーの責任は限定的であるとの判断を示し、発信者情報の開示請求については認めたものの、損害賠償に関しては棄却しました。

判決は、プロバイダーが賠償を恐れて発信者情報を開示する基準を下げれば、 表現の自由やプライバシーが侵害されかねないとしてプロバイダーの賠償責任の範囲を規定、明確にしたものです。

話題を呼んだ2chでの名誉毀損訴訟事例

この様に2chでは数多くの名誉毀損訴訟が起きていますが、ここではその中でも特に注目すべきものをいくつか紹介していきます。

誹謗中傷のURLを貼っただけで名誉毀損が成立

2chに貼られたURLリンクによって自身の名誉を傷つけられたとして、東京都内の男性がプロバイダーに対して発信者情報の開示を求めた裁判です。当ケースは数多の2ch裁判の中でも特筆すべき判例で、大きな波紋を呼びました。

著一審は原告の訴えを棄却

事の発端は原告男性が2ch の書き込みの中に、原告の実名を含んだスレッドのタイトルとスレッドのURLを貼りつけたものを見つけたことでした。リンク先のURL内には、原告が学生時代に女性に対してセクハラをしたとする内容が書き込まれていたのです。

男性はこの行為が名誉毀損にあたるとして2011年12月、プロバイダーに発信者の氏名や住所等の個人情報の開示を求める民事裁判を東京地裁に起こします。第一審では、掲示板にURLを書き込んだだけでは名誉毀損には当たらないとし、原告の訴えは棄却されます。民法において名誉毀損が成立するためには、「他人の社会的評価を低下させるような事実の流布」していると認められることが必要です。

しかし、当ケースでは英数字の羅列に過ぎないURLを書き込んだだけであり、事実の流布には当たらず、名誉毀損とするべきでないと判断されたのです。この判決を不服とし、原告は控訴します。

控訴審で逆転判決

続く第二審の東京高裁で一審を大きく覆し、原告の請求を認める判決を出しました。「ハイパーリンクが設定表示されている本件各記事を見る者がハイパーリンク先の記事を見る可能性があることは容易に想像できる」等とし、URLを書き込むことはリンク先の内容を“意図的に”、“自分の意見として”表現することであるとの見方を示したのです。

これは異例の判決で、それまではリンクを貼るだけでは情報や事実の流布には当たらないとされ、法的責任を問われることはありませんでした。しかし今回の判例により、今後URLの書き込みだけでも、状況によっては名誉毀損が成立するケースがでる可能性が高まったと言えます。

誹謗中傷で実刑判決

次に紹介するケースも非常にセンセーショナルな事例で、当時話題を呼びました。それはネット上の書き込みによって、青年に実刑判決が下った訴訟です。

繰り返し誹謗中傷

2010年7月、参院選比例代表に新党「たちあがれ日本」から立候補し落選した拓殖大学客員教授の藤井厳喜氏に対し、2chにおいて誹謗中傷する書き込みをしたとして、大学4年生が名誉毀損の容疑で逮捕されました。「思想が右翼的で気にくわなかった」等と供述した学生は、2chの7つのスレッドに計33回にわたって「死ね」等藤井氏を誹謗中傷する書き込みをしていたものです。藤井氏は友人からの情報でこの事実を知り警察に相談、訴訟を起こしました。

名誉棄損罪で懲役1年6カ月の判決

刑事罰として「名誉棄損罪」が成立。判決公判では、懲役1年6カ月執行猶予3年が言い渡されました。「死ね」の書き込みは殺人予告や脅迫罪に該当するとも言えますが、それ以外の具体的な当該書き込みの内容は稚拙で下劣なものでした。事件に対し、一学生の意見に目くじら立てることを疑問視する声や「言論統制にあたるのでは?」といった声も上がりました。しかしながら当事例はネット上で行き過ぎた誹謗中傷をするとどうなるかを世に知らしめたと言えます。

2chにおける著作権侵害の訴訟事例

2chではその他にも、著作権侵害の訴訟事例もあります。一口に著作権といっても様々な権利が含まれますが、インターネット上での侵害行為で問題となることが多いのが、複製権や送信可能化権等です。

漫画家対談記事差し止め訴訟

著作権法では原則著作物の利用には基本的に、著作者の許可が必要とされており、無断転載した場合違法になります。これに関して画家の北川みゆき氏と出版社の小学館が、著作権を共有する書籍の対談記事を2chに無断転載されたとして、2ch管理人を提訴した事例があります。

対談記事を無断転載され著作権侵害で2chを提訴

その事案は2004年4月2ch内のスレッド「みんなうんざりだって★北川みゆき」上に小学館から出版された北川みゆき氏の書籍「ファンブック 罪に濡れたふたり~Kasumi~」に収録された対談記事の一部が投稿されたことに端を発するものでした。小学館と北川氏は、これを無断転載とみなし、著作権の「送信可能化権」侵害にあたるとして、 当該書き込みの削除要請を2ch管理人に求めます。

しかし北川氏からの再三の要請に対して管理人は2ch内の削除専用の掲示板である「削除依頼版」に申し出る様返答するのみで、自ら動くことはしませんでした。そして小学館と北川氏は「読者との対談記事を勝手に書き込まれた上、著作権侵害による過去ログ削除を要求したのに実行されない」として、転載内容の削除と権利侵害に対する損害賠償300万円を求め、管理人の西村博之氏を提訴したのです。

一審は原告の訴えを棄却も控訴審では逆転判決

2004年3月11日の一審判決では東京地裁は「権利侵害の当事者は発信者であり、管理人に非がなく権利侵害の事実を知り得たと認められない以上、送信可能化権差し止めの義務も賠償責任も負うことはない」等として原告の訴えを棄却しました。小学館と北川氏はこの判決を不服とし控訴。結果、転載部分の削除と損害賠償請求120万円が認められました。東京高裁は、“著作権侵害があった場合、管理者は速やかに是正措置をとる義務があるところ、原告から侵害行為の通知があったにも関わらず削除せず侵害行為に加担した”と見なしたのです。

なお、判決に対して小学館は「著作権を守るためには節度ある運営が必要。著作権に対して無責任な状況は放置されるべきではなく、判決は妥当だと思う。今回の判決により、ウェブ上で著作権を保護することの大切さが伝われば」とコメントを出しています。

書き込みで荒れがちな2ch 利用していない人も注意を

書き込み内容が荒れがちな2chではこうした裁判事例が多いのは事実です。しかし2chを利用していない人も他人事として捉えるのではなく、今回紹介した様な判例や判決理由を頭に入れて、健全なインターネットライフに役立ててみて下さい。

ネット誹謗中傷問題に強い弁護士事務所

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